386「ユニット切望」



Together!-タンポポ・プッチ・ミニ・ゆうこ- amazon.com/購入もできます)



この前CDラックを漁っていたら、
奥の方から、1枚のアルバムがひょっこりと姿を現した。
もうずいぶんと長い事聴いていないそのアルバムを手に取り、ボクはしばし考える。
もしかすると、このアルバムに、モーニング娘。「再生」の極めて重要なヒントが
隠されているのではないだろうか。
2001年に発売された当時は、シングルを寄せ集めただけの、
いかにも凡庸な出来のアルバムという意識しかなかった『Together!-タンポポ・プッチ・ミニ・ゆうこ-』。
だが今、その寄せ集め感こそが、モーニング娘。に最も必要なのではないか。
数年ぶりにアルバムを聴き進めるうち、ボクは強くそう感じるようになっていった。


当時はメンバーの数が多く、思いついたバリエーションを拵える事が比較的容易かったという部分はあるだろうし、
グループ自体の人気が上げ潮だった事ももちろん大きいと思うが、
当時の、いわゆるグループ内ユニットは、母体であるモーニング娘。に、
少なからず良い影響を与えていたのではないかとボクは感じるのだ。
つまり、ユニットとして別行動を取り、その活動の中で、知名度なりキャラクターなりを確立し、
それを再度本体に還元するというひとつの流れが、当時確かに存在していた。
プッチモニにはゴマキがいて、ミニモニ。には辻と加護がいて…という具合に、
ユニットで獲得したネームバリューが、そっくりそのまま本体にフィードバックされる事で、
本体の人気度が上昇したという側面は確かにあったし、
またそれとは逆に、「モーニング娘。からまたまた新ユニットが!」というトピックが出回り、
本体の知名度がユニットの人気を後押ししているという面もあった。
プッチモニミニモニ。は、モーニング娘。がブレイクした後にできたユニットであり、
まず本体の知名度があって、そこから人気が波及していった可能性が高いが、
いずれにせよ、ユニットが売れる事で、結果としてモーニング娘。に耳目が集まった事は間違いなく、
当時のグループ内ユニットは、「モーニング娘。人気」の大きな支えの一つだった。


時間は流れ、モーニング娘。自体が、ハロプロのグループ内ユニットのような位置づけとなり、
モーニング娘。という看板単体でムーヴメントを起こす事も難しくなってきている昨今。
そこにきて、ソロの仕事が特に重要視され、猫も杓子もソロ写真集を出しているような、
個人主義」の傾向も、一層強くなってきている。
それはある意味仕方のない事だとも言えるし、ある部分では忸怩たる思いもある訳だが、
そういう部分も全て含めて、モーニング娘。という魅力のカタマリを、再び活性化させるべく、
多少のリスクは覚悟しつつも、ここいらで、やはり何かアクションが欲しいところではある。


そこでボクは、モーニング娘。に、最新型のグループ内ユニットを作り出すという作戦を、
あえて2007年のこの時期に提案してみたいのである。


急にそんな事できないというのは重々承知だし、
仕掛けて必ず結果が出るとは限らないという事も解っている。
だが、夢よもう一度ではないが、当時の本体とユニットの関係性がもたらした活況。
そして、両者が絶妙に絡み合う、ポジティヴ・スパイラルとも言うべき好循環を再現できれば、
こちらの予想以上の結果が跳ね返ってくる可能性も大いにあるだろう。


チャイニーズの2名が加わって、人数的にもちょうど具合は良くなっているし、
上手い具合に、個性もそれぞれ異なる今のモーニング娘。ならば、
イデアひとつで、相当面白そうなユニットが作り出せるのではないかと思うのだ。
そして、それを足がかりに、本体の知名度や人気が上がったりすれば、こんな痛快な話はない。

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