393「誠意ってなんだろうね」



「モーニング娘。誕生10年記念隊 コンサートツアー2007夏〜サンキューMy Dearest〜」に関する大切なお知らせ



コンサートを休むという事そのものについて、ボクは別にどうこう思う所もないし、
まして病気になった事を、自己責任がどうとか言って責めるつもりも毛頭ない。
病気なんて、罹る時はどれだけ気をつけていたって罹るものだし、
夢売り商売とは言え、所詮は生身の人間が相手のこと。
こんな事態も、あって不思議ではないとは思う。
だが、そこに至るまでのプロセスが、例の如くのお粗末ぶりというか、
相変わらずファン感情を逆なでするような、ちゃらんぽらんさのオン・パレード。
必要最小限の「誠意」すら見えてこない事務所の対応には、ため息しか出てこない。


先週末、大阪での10年記念隊コンサートの公演中、突然ステージからいなくなった後藤真希
その後、共演者から、退場の理由が体調不良である旨の説明があったという。
ケガや病気で、ステージから突如演者が捌けて行くのを目の当たりにするというのは、
ボクにも何度か経験があるが、見ていてあまり気持ちの良いものではない。
何があったのか心配になるし、終演後には、何とも言えない後味の悪さも残る。
なにより、その人間を目的に観ている者にしてみれば、「この後はもう出ません」などと言われて、
一体どうしろという話で、これはもう、絶対的に気持ちの良い出来事ではない。
ただ、それだけなら「まあしょうがない」と思いもできるかも知れないが、
その翌々日の21日には、なんと韓国へと赴き、イベントに颯爽と登場したというからたまらない。
心配していたファンにしてみれば、元気な姿を見られて良かったというところなのかも知れないが、
傍目から見れば、「体調万全でないのに韓国って…」などとつい思ってしまう。
案の定というかなんというか、韓国イベントから3日経った今日になって、仙台公演までの病欠が発表され、
チケの払い戻しだなんだと、てんやわんやの大騒ぎとなっている。
だいたい彼女は、8月8日のお台場でのイベントも病欠しているのだから、その段階、あるいはもっと前の段階で、
記念隊のステージを務め上げられるだけの体力が無い、という判断はできなかったのだろうか。
もちろん本人の意思というのもあっただろうし、決断に踏み切れない様々な事情もあるに違いない。
だが、莫大なチケットの払い戻し、各方面にかかる多大な迷惑というものを考えれば、
例えば、セットリストやフォーメーションの変更。あるいは代役の起用など、
ツアー開始までの間に、最悪の結果を回避する為にでき得ることはいくらでもあっただろうし、
早めの決断があれば、少なくとも、今回のような突然の出演キャンセルという事態だけは、
なんとか避ける事ができたと思えるだけに、非常に残念だ。
この事務所の危機管理能力の無さ、そして状況判断のヘタさは、今年になって何度も目撃してきているが、
依然として体質の変わっていない所を、改めて露呈した形となった。


ボクは後藤一人がステージに出てこないからと言って、チケット代を払い戻す必要はないと思う。
もっと言えば、昨今、何かあるたびに行われる払い戻しについても、ボクは極めて否定的だ。
「何が起こっても、金さえ返しておけばそれで済む」
おそらくそんな空気が、事務所の体質の中に含有されているからこそ、
喉元過ぎればなんとやらで、次から次からこういう不祥事を生むのだろう。
数千円の金や、型どおりのお詫びの文句が誠意などでは決してない。
後藤真希がいないのなら、他のメンバーの力やサポートメンバーをフル活用して、
パワーダウンを感じさせないものを作ればよいのだ。
そして、がっかりしている後藤ファンに「まあこれはこれでアリかな」と思わせるようなステージを提供し、
開いた穴を完全な形で補填する事こそ、真の誠意なのではないかとボクは思うのだが。

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392「もはや娯楽ではない…のか。」



FC制度変更のお知らせ1
FC制度変更のお知らせ2
FC制度変更のお知らせ3



他のアーティストにも前例があるようだし、
こちらの認識が足りないだけで、あまり珍しいことなのではないのかも知れないが、
やはり違和感を抱かざるを得なかった、オフィシャルファンクラブの新制度。
パッとその話を聞いた時に、ボクは制度の詳細がどうとかという事よりも、
「ハローもえらく敷居が高くなったなあ」という事をまず感じていた。


FCチケットを巡り、さまざまな「ズル」をする人間が後を絶たず、
日を追うごとに、その「ズル」が巧妙かつ悪質化しているという状況を鑑みた時、
何らかの対策を講じるというのは当然の帰結であり、
その状況の改善を、今回の制度改正で狙おうとする意図は確かに解るし、
あるいは、今はまだ明らかにならないが、近い将来、
事務所側にもたらされる「何らかのメリット」というものがあるからこそ、
10年近く続けたシステムを、様々な負担を覚悟で変えようとしているのであろう、というのは理解できる。
だが、ファンである我々の気持ちの問題として、
「それなりに金持ちは『松』で、そうでないのは『竹』」というような、
選民とまで言えば大袈裟だが、本来は一定の同じ権利義務を持つはずのファンを、
何らかの基準で位分けするような方法論が、果たして許されるものなのか。
許されるもなにも、もう決定してしまった制度ゆえ、我々はただ従うしかないのではあるが、
「俺は俺」などと、利己主義的なファンにはどうしてもなれないボクとしては、
いささか、モヤっとしたものが胸に渦巻いているのである。


ただ、そうなってくると気になるのは、
『松』と『竹』の間に、一体いかなる差別化が図られるのかという事である。


現時点では、特別なグッズの配布であったり、会員の自動継続といった、
別段取るに足らないようなメリットしか公表されてはいないが、
誰しもが思うであろう、FCチケットの座席優劣という部分の格差が、
おそらく付けられるのではないかとボクは見ている。
というか、その部分が差別化されなければ、会員ランクを分ける必要性はないに等しいし、
高い会費を払って『竹』と一緒の待遇というのであれば、誰も『松』にはなりたがらないのは至極当たり前の話であり、
良席率や、そもそもの当選率にかなりはっきりとした差がつくのは間違いないだろう。
そうであれば尚更、「分け隔てられること」への違和感は強くなってしまう。
今まで、どんなファンにも負けないほどに彼女たちを愛してきたという自負がありながら、
そういう過去の「功績」も「貢献」も報われることなく、
ファンのレベルがシビアに線引きされてしまうというのは、なんというか実に悲しい事ではある。


申込用紙に必要以上の個人情報を書いて渡したり、カードの審査だなんだと、
アイドルという娯楽にしては、あまりに敷居が高くなりすぎた感が個人的に否めない今。
おそらくボクはこのまま、FC退会という線が濃厚である。

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391「スローダウン」



Hello! Project -Official Site-



賢明かつ物好きな読者諸氏ならば、ある程度はお気づきの事とは思うが、
実は当コラムの更新頻度を、少しばかり落とさせていただく事にした。
今後は、今までの1週間3本から1〜2本更新へと変更。その分、1本のコラムにかける時間を増やし、
数は減っても変わらない濃度のコラムをお届けできればと思っている。


疲れてきた、という側面はもちろんある。
だがそれよりも、最近コラムを書くことが楽しく無くなってきている自分に気がついた事が大きかった。


ニュースサイトやブログ、あるいはBBSの類を見て回り、
題材になりそうなネタを拾い集め、それをボクなりに料理して文章に起こす。
ここ3年近く続けてきたそんな習慣も、ついこの前までは、実に面白味のある作業だった。
時には同じ人種として、ファンの巻き起こす様々な論争を題材にしたり、
ハローやモーニングとは直接は関係ないテーマも取り入れてみたりと、
それなりに変化を楽しめもしたし、なにより、ひとつの出来事について深く掘り下げて考えるという、
さまざな意味において刹那的に今を生きているファンには、
おそらく絶対に真似のできない「贅沢」を堪能できることが、嬉しくて仕方がなかった。
だが、深く掘り下げれば掘り下げるほど、気が滅入ってしまうような出来事が今年になって相次ぎ、
じっくりゆっくりハロプロを見つめ続けるという、
現在のボクのファン・スタイルにとって、なんとも優しくない状況が続いた。
なんとか別の話で空気を換えたいのだが、話題の中心を避けて通る事への白々しさもイヤだし、
真っ向勝負で話題に挑んだところで、モヤモヤが募るばかりで充足感を抱くわけでなし。
何を書こうか。どう書こうか。そんな悩みを持ち始めると、
あれだけ面白味のあった「ハローを語る」という行為が、今はなんとなく重い。
ま、そんなに深いものでもないのだが、とりあえずは下がっているテンションを、
この夏の間でなんとかV字回復させるのが当面の目標。
コラムを書かねば…の強迫観念から一度この身を開放し、
改めて余裕のある形でハローと向き合ってみることにする。


なにせもう10年の付き合いなのだ。
彼女たちはすぐにきっとまた、日々ボクを嬉しがらせてくれるようになるはずである。
そうなったら間違いなく饒舌になるボクのことだ。
その時はきっと書いて書いて書きまくることだろう。

101529

390「buono notizia!」



新ユニットBuono!(ボーノ)結成のお知らせ。(オフィシャルサイト)



いわゆる男がらみの「生臭い」話題が続き、世間様の評判も芳しくないハロプロメンバーの皆さん。
まあファンであるこちらからすれば、世間の評判など別にどうだっていいと言えばいいのだが、
ボクがファンであるのをよく知っている、例えば家族やら会社の同僚などに、
「おい、またできちゃった結婚か?」とか「よく岩盤浴なんか行ってる時間あるもんだねえ」
みたいなことを、ニヤニヤやされながら、皮肉っぽく言われるのも、
最初のうちは気を張って反論できていても、こう立て続けだとさすがに辟易としてくるし、
そういうネガティヴな話題で、ハロプロのファンであることが目立ってしまうような状況が、
早く収束すればいいなと、最近はそんなことばかり考えている。


そんな中、作り手の皆さんはと言えば、
大人チームの中に漂う「ただれた」感じの雰囲気を、特に立て直そうとする訳でもなく、
「気が済むまではとりあえず好きにやらせておく」という感じの方針に終始しているようである。
まあ大人のやる事だから、すべては自己責任である訳だし、
何かあっても責められるのは本人であり、管理をしている事務所であるのには違いない。
しかし、今はちゃんと身を律している者が、前例を機に妙な気を起こすとなれば、これは由々しき事態である。
アイドルとはどうだとか、そういう小難しい事ではなく、
突如仕事を辞めざるを得ない状況になってしまうとか、
センセーショナルな話題でハロプロのイメージが著しく失墜してしまうとか、
直接ボクたちの身に、災難が降りかかってくるのはとにかく御免だ。
だからこそ、事務所には、大人チームへのケアをもうちょっとしっかりやってもらいたいのだが、
そんな事には目もくれず、ベリキューエッグの若手をフル稼働させ、
その放つパワーと清潔感で、ハロプロ全体を覆う生臭さをなんとか中和させようと躍起になっている。
そして、その舞台として、ミニモニ。以来数年ぶりに、アニメを軸とする「お子様の世界」を事務所は選択した。
もちろん月島きらりの成功あればこその戦略ではあるのだが、
こういう情勢の中で、新たにアニメとのタイアップをぶつけるという話を聞くと、
子供をダシにして、失われつつある清純さを前面に押し出そうとしているのでは…なんて穿った見方もしたくなる。
まあ、水着の写真集とかを出している時点で清純もヘチマもないのだが、
少なくとも、ただ単にオファーが来てそこに乗っかっただけという話ではなく、
事務所の何らかの作戦が背景にあるのは間違いなさそうだ。


ただ、その在り方はどうであれ、新しい試みが見られるというのは、こちらにしてもいい刺激にはなる。
前にも「もっとユニットを」なんて事を書いたりしたが、
停滞感が募れば募るほど、こういう新鮮な空気への期待感と感動は大きくなるというものだ。
まして、勢いのあるベリキューから、それも中核ともいうべきメンバーが選抜されたと言っていい、
今回のユニット『Buono!』。少し前なら、こういうのはモーニング娘。の中から出ていたんだけど…
などという僻みはこの際金繰り捨てて、まずはそのお手並みを、じっくり拝見してみたい。
ただ、アニメとのリンクはミニモニ。時代からきらレボに至るまで、
からきし苦手なボクにとって、どこまで情報を捕捉できるかいささか不安ではあるのだが、
なにはともあれ、「ハロプロ浄化運動」の大きなきっかけになるかも知れない、
新ユニット『Buono!』の動向、大いに注目したいところである。

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389「ノン・コネクティッド」



ヘキサゴン:里田まいら“おバカ3人娘”がアイドルユニット結成 島田紳助作詞の曲披露MSN毎日インタラクティブ



里田まいの快進撃が続いている。


前にも書いたが、いい加減年寄りにも程があるうちのオカンあたりが
「ホンマ里田はアホやなあ」みたいに言ってるくらいである。
不肖の息子が、相当前からハローだ保田ださゆだと大騒ぎしているのには、一切リアクションしなかったのに、
ここ1年ほどで里田まいという名前だけはしっかりと覚えてしまったというのだから、
これは相当にすごい事だと思う。
ただ、いかんせん悲しいのは、里田の名前に「アホの」という冠詞が必ずセットになる事と、
彼女が、不肖の息子が大好きなハロプロの一味である事を、まったく知らないでいる事である。


まあアホキャラについては、これは致し方ない部分ではあるとは思う。
どんな種類であれ、キャラ付けをして名前を売る事は芸能人の基本だし、
彼女に用意されたものがたまたまそういうキャラだったまでの話。
その課題を、地の部分も大いに活かししつつ、彼女なりにがんばっているのは間違いないので、
視聴者からクレームが寄せられるほどの、度を越えたアホさ加減は気になるものの、
素直にその姿を応援してあげたいな、とは思う。
問題は、そのがんばりで培った知名度が、ハロプロにほとんどフィードバックされていないという点である。
うちのオカンがそうであるように、「カワイイけどアホな若い女の芸能人」という辺りまでで
彼女の知名度が止まってしまっており、そこからハロプロという部分まで話が繋がって行くような筋道を、
事務所が作りきれていないという実情がある。挙句、まるで丁稚奉公に出すかのように、
番組の企画モノのユニットに参加させ、他事務所のタレントと組ませる事によって、
ますますハロプロ色が薄まっていくような情勢となり、なんとも微妙な現状である。


知名度ハロプロにフィードバックさせる必要なんてない、
というリアクションもあるやも知れないが、ボクはそうは思わない。
ただ単に、里田まいという個人が活動しているだけなら、
どんな手を使ってでも知名度を獲得し、芸能人としてのポジションを獲得し、
誰に歩幅を合わせるでもなく、どんどん邁進していけばいい。
でも彼女は違う。1人になったとは言え、未だカントリー娘。というグループを背負い、
しかもハロプロという集団の中で、さまざまな面においてのキー・パーソンとなるべき人材である。
決して安易に「個人主義」に走るべき存在ではないのだ。
もちろん、それは彼女に限った話ではない。他のハロメンも同じ事。
ハロプロの一員という立場で他流試合に臨むのであれば、
やはりハローの旗印を胸に活動してほしいし、またそうあるべきだろう。
活動範囲が広がり、どれだけハロメンたちの名前が売れ始めたところで、
他流試合での経験値がハロプロでの活動に活かされないというのであれば、
推しにしているファンが喜ぶ以外は、あまり意味がないような気がボクはするのだ。


それにしても、ハロプロの今を表すキーワードが
「デキ婚」と「アホキャラ」だと言うのだから、なんともやりきれない気分である。

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388「ノン・タッチ」




先週、突然パソコンが不調となり、ほぼまるまる1週間、
OSの再インストールやらデータの移し変えやらなんやらの煩雑な作業に追われ、
ほとんどまともにネットにアクセスできなかった。
結局、それが主原因でコラムを3本分休載するハメになってしまった訳だが、
実のところを言えば、どうにかすればコラムを書いて上げることくらいは簡単にできた話だった。
もちろんPCのアクシデントも休載の原因には違いないが、前からぼんやり考えていた「ある事」を、
このアクシデントを機会に実際試してみようと思って、あえてコラムに手をつけなかったのである。


実は、先週1週間、ボクはハロプロモーニング娘。に関するあらゆる情報を、
わざと自分から避けるような形で生活をしていた。
足を踏み入れれば、確実に情報に触れざるを得ないインターネットの世界に、
物理的に近づけないという事情を上手く使って、テレビやビデオ、そしてDVDなどにも触れず、
とにかく、生活の中からハロプロ的な要素を一切排してみたのである。
ここ8年ほどは、生活上の優先順位のトップが常にハローという状態が続いていて、
生活のリズムもハローが中心であると言っても大げさではないほど、
とにかく「イの一番」な存在として、ハローとモーニングはボクの中に君臨していた。
ハロプロなしでは生きていけない」、誰かの歌のタイトルではないが、
そういう生活が当たり前のようになっていた、ボクの2000年代。
その一方で、例えば自分の生活上からハロプロが消え去ってしまったとき、
ボクという存在はどうなってしまうのだろう…という、興味深くも恐ろしい想像をする事もしばしばだった。
まあ、少なくとも自分から「ファン辞めます」などと言う事はないと思っていたし、
ボクとハローとの決別の時は、ハローが消滅する時に違いないと以前は考えていたというのもあって、
想像の域を出ないそんな話を、実際試してみようなんて思ってもいなかった。
だが、いろいろあって興醒めする事しきりの昨今、自らファンを辞するという行為が、
全くの絵空事でもなくなってきたこのタイミングで、突如PCが不調に陥り、
「フツー生活へのシミュレーション」の機会を得たのだから、これは実践するしかあるまいと、
先週の月曜日から1週間、ボクはそっとハローの元から姿を消したのである。


結果から言ってしまえば、なんとかなってしまったのである。


週末のハロコン開幕戦も参戦可能ではあったが、見向きもせずに連休中は買い物やドライブを楽しみ、
職場の女の子と飲みに行く約束を取り付け、そして、暇な時間にはテレビゲームで時間を潰した。
テレビはニュースとスポーツと、あと大好きな「水曜どうでしょう」を見るくらいで、
ラジオも車の中でFMを聴く程度。部屋の掃除をして、PCのメンテナンスをして、コンビニに買い物に行く。
そんな、「ハロプロ」や「モーニング娘。」というキーワードが一切登場しない生活を、
ボクは何の苦もなくクリアしてしまった。もちろん無理に我慢したということもなく、
ごく自然に、身体は「ハローがそばにいない生活」に順応したのだった。
そして、これを書いている今日、改めて名古屋公演の情報や、リリースの情報などに触れてみたが、
先週の反動で、テンションが高まるというほどでもなく、「おおなるほど」などと呟きながら、
いつものようにコラムのネタになりそうな話を目で追っている。
ハロプロモーニング娘。が、ボクの中で優越性を持った特別なものではない、
という事がはっきり解った瞬間だった。
それが良い事なのか悪い事なのかは知らない。
だが、あれほどまでに傾倒し、常に高揚感をもって接していた彼女たちが、
言い方は悪いが「とるに足らない」ような存在に、ボクの中でなってしまったという事実だけは、
備忘録的に、この場所に記しておきたいと思う。
もちろん、嫌いになった訳でも愛想を尽かした訳でもない。
いろいろあっての一時の気の迷いであれば、それに越したことはないのだが、
これ以上、ボクにとっての彼女たちの存在価値が「劣化」していくような事が起これば…
いけない事とは知りつつ、また今宵も、恐ろしい想像を巡らせずにはいられないのである。

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387「ノン・リアクション」



元モー娘。飯田圭織が妊娠10週目、元7HOUSEのVoと結婚へ オリコン



抱く感想は3つだけだ。


「ああそうですか。またですか」


「これは大変な事になりましたね」


そして、「次は一体誰なんですかね」


これ以上は、もう本当に何も言う事はない。


責任感がどうとか、夢売り商売がどうとか、そういう話をくどくどしたところで、
「妊娠第10週」という、圧倒的なリアリズムの前には、
ボクの脆弱なアイドル論など、ひとたまりもないだろうし、
なにより、ボクやボクと同じような思いでいる者たちごときが、
どれだけ否定的にこの話題に対峙したとしても、「ベイビーにまつわるおめでたい話」という
葵の紋所をつきつけられれば、それでもう何も言えなくなってしまう。
辻ちゃんの時にも思ったが、それはなんというか、実に卑怯な作戦で、
結局、こういう話にショックを受けた人間は、誰かに心のモヤモヤを解消してもらえるという事もなく、
むしろ「ショックを受ける方がおかしい」とまで言われ、
祝福できない事が、まるで罪悪であるかのような扱いをされる事だってある。
ボクは、俄然祝福などできないタイプの人間なので、
このコラムでもそういう謗りを数多く受けてきたし、ささやかながら筋道立てて反論もしてきた。
だが、ここまでくるとさすがにもう、真面目に考えを文章として構築していく事がバカらしくなってくるし、
「なんでもアリのヤッたもん勝ち」であると思わざるを得ない今のハロプロに、
思いを傾けるだけの情熱は、正直ほとんど残ってはいない。
もちろん、今を一生懸命に頑張っているメンバーたちを真摯に応援はしたい。
だが、「一夜明けたらオメデタ婚」という強烈な攻撃が、
何の前触れもなく、ある日突然襲い掛かってくるなんて、こんな恐ろしい話はないし、
そこまでのリスクを背負わなければ、心いくまで楽しむ事のできない
エンターテインメントというのは正直どうなんだろう…などと、今はそんな風に思っている。


幸いというかなんというか、10年記念隊のツアーは滞りなく行われるようで、
前回みたく、仕事に大きな穴が開いてしまうという事はなさそうだ。
というか、本来それが当たり前の姿勢なのであって、それが殊更に讃えられる話でもないのだが、
この間がこの間だっただけに、それがなんとなくエラい事のようにも思えてくるから困ったものである。
もちろん、仕事を抱えていながらの「既成事実の為の不避妊」という行為に変わりはなく、
別になにも褒められた話ではないという事だけは、強調しておきたい。


まあ、仕事が無事に消化されていくというのは結構な事だが、
身重で歌い踊る姿を見たいかと言われれば、ボクはあまり食指をそそられない。
そして、これから妊娠が進んでいけば、体調面に不安が出てくる事も十分予想されるだろうし、
そんな状況下で、果たしてちゃんとした出し物が披露されていくものなのだろうか。
大いに疑問ではあるが、猛烈な興醒め感に包まれている今、
それを確認しに行こうという意欲も正直いってあまりない。


なんというか、今はもう、ただただ笑うしかないという感じなのだ。

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