387「ノン・リアクション」



元モー娘。飯田圭織が妊娠10週目、元7HOUSEのVoと結婚へ オリコン



抱く感想は3つだけだ。


「ああそうですか。またですか」


「これは大変な事になりましたね」


そして、「次は一体誰なんですかね」


これ以上は、もう本当に何も言う事はない。


責任感がどうとか、夢売り商売がどうとか、そういう話をくどくどしたところで、
「妊娠第10週」という、圧倒的なリアリズムの前には、
ボクの脆弱なアイドル論など、ひとたまりもないだろうし、
なにより、ボクやボクと同じような思いでいる者たちごときが、
どれだけ否定的にこの話題に対峙したとしても、「ベイビーにまつわるおめでたい話」という
葵の紋所をつきつけられれば、それでもう何も言えなくなってしまう。
辻ちゃんの時にも思ったが、それはなんというか、実に卑怯な作戦で、
結局、こういう話にショックを受けた人間は、誰かに心のモヤモヤを解消してもらえるという事もなく、
むしろ「ショックを受ける方がおかしい」とまで言われ、
祝福できない事が、まるで罪悪であるかのような扱いをされる事だってある。
ボクは、俄然祝福などできないタイプの人間なので、
このコラムでもそういう謗りを数多く受けてきたし、ささやかながら筋道立てて反論もしてきた。
だが、ここまでくるとさすがにもう、真面目に考えを文章として構築していく事がバカらしくなってくるし、
「なんでもアリのヤッたもん勝ち」であると思わざるを得ない今のハロプロに、
思いを傾けるだけの情熱は、正直ほとんど残ってはいない。
もちろん、今を一生懸命に頑張っているメンバーたちを真摯に応援はしたい。
だが、「一夜明けたらオメデタ婚」という強烈な攻撃が、
何の前触れもなく、ある日突然襲い掛かってくるなんて、こんな恐ろしい話はないし、
そこまでのリスクを背負わなければ、心いくまで楽しむ事のできない
エンターテインメントというのは正直どうなんだろう…などと、今はそんな風に思っている。


幸いというかなんというか、10年記念隊のツアーは滞りなく行われるようで、
前回みたく、仕事に大きな穴が開いてしまうという事はなさそうだ。
というか、本来それが当たり前の姿勢なのであって、それが殊更に讃えられる話でもないのだが、
この間がこの間だっただけに、それがなんとなくエラい事のようにも思えてくるから困ったものである。
もちろん、仕事を抱えていながらの「既成事実の為の不避妊」という行為に変わりはなく、
別になにも褒められた話ではないという事だけは、強調しておきたい。


まあ、仕事が無事に消化されていくというのは結構な事だが、
身重で歌い踊る姿を見たいかと言われれば、ボクはあまり食指をそそられない。
そして、これから妊娠が進んでいけば、体調面に不安が出てくる事も十分予想されるだろうし、
そんな状況下で、果たしてちゃんとした出し物が披露されていくものなのだろうか。
大いに疑問ではあるが、猛烈な興醒め感に包まれている今、
それを確認しに行こうという意欲も正直いってあまりない。


なんというか、今はもう、ただただ笑うしかないという感じなのだ。

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