382「本当にあった怖い話。」



Cutie Circuit 2007 〜MAGICAL CUTIE 感謝祭〜 開催決定!!(オフィシャルサイト)



何度シミュレーションしてみても、脳裏に浮かぶ光景は、まさに阿鼻叫喚。
本当にそんな事をやってしまってもいいのか、思わずこちらが心配になってしまうほど、
かなりぶっ飛んだ企画の話がボクたちの元にもたらされた。
勢いに任せた俊足と、時にとてつもないパワーを見せる打撃力を兼ね備え、
今やハロプロの「2番バッター」とも言える存在になった℃-ute
その℃-uteが、『Cutie Circuit 2007 〜MAGICAL CUTIE 感謝祭〜』と題したイベントを、この夏開催する。
それ自体はなんて事はない。問題はその中身である。


ハロプロ史上初!! お客さん参加型℃-ute運動会の開催決定だよ!!】
【運動会は、メンバー、お客さんを2チームに分けての真剣勝負!】


8月終盤の東京体育館に、毎度℃-uteコンに参戦しているコアなファンの皆さんが集結。
メンバーと共に、まさに「アツい」運動会を繰り広げる光景というものを、
何はともあれ、まずは想像してみていただきたい。


そこかしこに蠢くファン代表の大半は、当たり前だが女子供などではない。
爽やかさとは無縁と言って差し支えない、まさに「リアル・男たちの挽歌」。
飛び散る汗と体液は、必ず体育館の雰囲気を修羅場に変えることだろう。
そして、その傍には、爽やかさの権化とも言うべき℃-uteのメンバー。
「爽快感」と「澱み」、陰陽真逆のオーラの鬩ぎ合いの異様な空気が会場を包み込むのである。
これを阿鼻叫喚と言わずして、一体何と言おうか。
作り手の皆さんが、よもや℃-uteの客層について無知なはずもなく、
つまりそれは、℃-uteのファンが運動会に参加しようとした時、
体育館の雰囲気がいかなる状況になっていくのか、ある程度理解ができていて、
それでもあえて実現させようとしているのに他ならず、その勇気とセンスには、改めて閉口してしまう。
しかも、今日現在、唯一発表されている種目が【『℃-uteと一緒に玉入れ!』】だと言うのだから、
ちょっとこれはもう言葉も出てこない感じである。
ただ、ここまで突き抜けた感じでいってもらえると、逆に面白くなってくるのも事実で、
その阿鼻叫喚っぷりを、ためらいはあるものの、少しくらい垣間見たいという、
いわゆる「怖いもの見たさ」の精神が、案外と多くの非固定客を呼ぶ事だろう。


℃-uteを取り巻く「大の大人」のファンたちを、他人目線は、
「いたいけな少女を必死に愛でるオッサンたちの集団」と一刀両断にする。
確かにその通りだし、その在り方はキモいと言わざるを得ない。
しかし、よく考えてみれば、そのオッサンたちの直前に立つ℃-uteのメンバーは、
自分たちの中にある魅力を自覚し、それを武器にして、親ほど年齢の離れた彼らを次々と手玉に取っていく訳だから、
つまり、℃-uteの前では、むしろオッサンたちの方が「いたいけ」な存在であると言えなくもない。
いたいけなオッサンたちが、魔性の目を持つ少女たちに魅せられ、
その言われるがままに、衆人環視の中で、楽しげに玉入れに興じる。
つまりは「悲哀」である。
今回の運動会、阿鼻叫喚の地獄絵図の怖いもの見たさへの誘いであると同時に、
性(さが)に苛まれ、少女たちに操られるまま、
運動会に参加してしまう大人の男たちの悲哀を表現した、
一種の「人生劇場」を、涙ながらに目の当たりにできる場でもあるのではないだろうか。

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