366「救世主〜Messiah〜」



救世主Wikipedia



「過渡期」とか「ターニング・ポイント」と言うには、あまりに残酷な出来事が続くハロプロ


こんな事を認めたくはないが、1998年のモーニング娘。結成以来、
見せる側と見る側が、永年にわたってコツコツと築き上げてきた良好な関係性は、
ここにきて完全に崩壊したと言っていい。
今のハロプロを取り巻くものは、「とにかく何でもアリ」の悲しい世界観。
そして、気がつけば、演者からもファンからも、「思慮」の2文字が完全に欠落してしまっている。
どこでどう歯車は狂ってしまったのか。無駄な空想とは言え、その時点まで時間が巻き戻れば…
と、最近はそんな事ばかりをよく考える日々だ。


このコラムで、ボクはよく「一定の距離感」という言葉を用いる。
演者とファンの関係は、触れたら簡単に壊れてしまうほどにデリケート。
だから、お互い、最後の一線を常に意識しながら、それでも可能な限り近い距離で接し合い、
バランスを保ち続ける事が肝要であり、さすれば、自ずと上質のアイドルエンターテインメントは生まれるもの。
近づき過ぎず、離れ過ぎず。その絶妙な距離感こそがアイドル商売の生命線であるとボクは考える。
そして、その距離感が失われた時点で、デリケートな両者の関係には狂いが生じ、
アイドルとファンの関係性はおそらく崩壊へと向かうのだと思う。
昨今のハロプロは、お互いがあまりに接近し過ぎて、バランスが完全に崩れてしまっている状態であり、
お互いがお互いの事を信じられなくなって生まれた「疑心暗鬼」のなれの果てが、
メンバーへのストーカー行為に、ワッチ音源に、喫煙騒動に、電撃妊娠結婚というのだから、
この虚しさは、筆舌に尽くしがたいものがある。


今ボクが熱望するのは、こんな陰鬱な閉塞感を打破してくれる救世主(Messiah)の存在だ。


この際、誰であっても構わない。とにかく、今のハロプロに「望み」を与えてくれる者が
出て来さえすれば、まだまだハロプロは十分戦えるはずなのだ。
差しあたって、新メン、キッズ組、エッグ組など、若いメンバーたちにその願いは託される事になる訳だが、
正直、現時点では、こちらから、そのような存在になりうる者の姿を確認する事はできない。
だが、そうなる可能性を秘めたメンバーは必ずいるはずなのだ。
いずれ、ハロプロの窮地を救う「大逆転弾」をブッ放す、神のようなハロメンは絶対に降臨してくれる。
その時、演者とファンとのいい関係は、すぐに全ては無理であっても、徐々に修復が進み、
見ていて単純に楽しい、いい感じのハロプロが、ボクたちの所にきっと帰ってくる事だろう。
それを信じ続けてさえいれば、また明日からの、ファンとして耐え難きを耐える生活も、
あるいは、存外、苦にならなかったりするのかも知れない。


それにしても、今年が始まった時には、まだ半年も経たない5月の段階で、
これだけいろいろな事が起こるなんて、夢にも思っていなかった。
しかも、大半がネガティヴな話だというのだから、本当に気が滅入るばかりだ。
報われないと知りつつ、それでも一瞬のときめきや達成感の為に、ここまでハロプロを愛してきたボクだけど、
なんというか、だんだんと疲弊の度合いは強くなってきている。


こんなボクに、救世主(Messiah)が微笑んでくれる日は訪れるだろうか…

90182