「今回の一連の報道に関する、個人的見解と感想」



杉浦太陽・辻希美に関するご報告(オフィシャル)



スポーツ紙の一面を衝撃的に飾った、夜討ち朝駆けの第一報から十数時間。
その後は、その新聞報道の内容が繰り返されるばかりで、
全く情報は動かず、いたずらに時間だけが過ぎていった。
一体、どんな幕引きを用意するのか。興味津津で迎えた23時過ぎ。
ようやくもたらされた事務所公式のコメントを見て、ボクは愕然とした。


何もかもが解せない、よもやの「円満解決」。
なぜだ? その思いだけが今はある。


この一件を論ずるのには、あるいは不適切なのかも知れないが、
ボクはどうしても、加護亜依の起こした一連の騒動と比較せずにはいられないのだ。
あの時の加護は契約を切られ、今回の辻は祝福の言葉さえ並べられた上で、産休後もタレントを続けるのだという。
あの事件と、今回の一件の、一体どこが違うというのだろうか。


未成年タレントがこっそり喫煙
未成年タレントができちゃった婚


事象は全く異なるが、要は両方とも、
「欲求の歯止めが利かず、若い女性芸能人としてやってはいけない事をやってしまった」
というだけの話なのではないだろうか。
法律的にどうかだけの問題で、むしろ後者の方が、周囲に与える衝撃の度合いを考えれば、
出来事としては「タチが悪い」とも言えるだろう。
何も難しい話ではない。この報道が出る前の段階で、辻が子供を孕み、結婚していくという事を、
一体何人のファンが望んでいたのか、という事なのだ。
アイドル(タレントでもいいが)・辻希美を好きだった者たちにしてみれば、
アニメ声優、その主題歌。あるいは、新ユニットの結成など、
これから先、彼女の活躍する姿こそが、本当に見たかった彼女の姿なのであって、
彼氏と連れ立っての結婚記者会見なんて、きっと誰も見たくなかっただろうし、
ましてや、こういう形で、彼女がアイドルを「ドロップアウト」してしまうなんて事、
昨日まではたぶん、誰一人考えてもみなかったはずなのだ。
支持する人間を、ギリギリまで欺き、そして大きく落胆させるような行為に走る。
加護も辻も、本質的にやった事は同じはずなのに、
今回に限っては、なんと事務所は積極的に赦した上で、おまけに帰る場所まで与えてしまおうというのだから、
これを、我々に対する「背信行為」と言わずして、一体何と言うのか。
そして、なぜ、同じ背信を行った加護と辻の間に、ここまで処遇の差が出てくるのか。


つまり、見え隠れするのは「経済効果」という事なのだろう。


「このような事態になってしまった事については深く反省し、管理責任を痛感しています。
    今後、尚一層の責任感を持ち、特に未成年のタレントに対しては指導の再徹底を行っていきます」


これは、株式会社アップフロントエージェンシーが、つい2か月ほど前、
週刊誌上で醜聞騒動を起こした加護との専属契約を、容赦なく解除したその時に出したコメントである。
痛感されるべき管理責任。支持するファンに対して、最低限持ち合せていなければならない責任感。
そして、再徹底されたはずの、未成年タレントに対する風紀指導。
つまり、上のコメントに込められた、アップフロントの「自浄」への取り組みというものは、
今回の辻希美の一連の報道によって、見事骨抜きにされた訳である。
だがアップフロントは、その情けない立ち回りすらも棚に上げ、
有名芸能人との電撃結婚ではじき出される経済効果を狙い、白々しい円満解決さえ演出するというのだから、
本当、開いた口が塞がらない。


辻個人の事については、今となっては、もうどうでもいい。


ずいぶん前から噂が囁かれていた、男性タレントとの逢瀬。
そして、己の置かれた立場や、その背後に存在する「ファン」への影響など、
なんら逡巡する事もなく、本能のまま激しい情欲を選んだ彼女。
確かに、一人の女性としては素晴らしいハッピー・エンドを掴み取ったかも知れないが、
一芸能人、それもアイドルタレントの生き方においては、
最悪の結末をもたらしたと言っても、決して過言ではない。
そして、誰あろう辻希美自身が、そういう幕引きを望んだのだから、
それ以上もう、ボクらが何を言っても仕方がない。
所詮、我々ファンや、事務所のスタッフの存在など、彼女の中ではその程度のものだったという事だ。
そんな事よりも、もっと心配な事がある。


「自分が生きたいように生きて、やりたい事をやっても、きっとみんな理解してくれる」


辻や加護のように、そういう考えで現在の活動に身を置いているハローのメンバーが、
他にも大勢いるかも知れない。今のボクが気に病むのは、むしろそちらの方だ。
なりふり構わぬ「強行突破」で、全て自分の思い通りになるのだと、
今回の事をきかっけに、本気でそう思うメンバーがいるのだとしたら、
これは、芸能プロダクション・アップフロントエージェンシーの完全なる敗北であり、
そんな敗北の兆候が、これから先も見え続けていくようであれば、
ボクのファン稼業も、いよいよ終焉の段という事になるかも知れない。


彼女たちの存在に「対価」を支払っている我々にとって、
今回の一連の報道は、明らかな屈辱であると言いきって良いと思う。
二度とこんな事が起こらぬよう、再発防止に努めてもらいたいと切に願ってやまない。



最後に一つだけ。


なんというか、ちっともめでたくなんかないんだけど。

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