359「飽食の果て」



悲しみトワイライトUP-FRONT WORKS



<初回生産限定盤A>DVD付<初回生産限定盤B>40Pブックレット+スペシャルパッケージ仕様<通常盤>初回特典:モーニング娘。フォトカード1種封入<共通>初回特典:イベント招待抽選シリアルナンバーカード封入




こういうのは、あまり好きじゃない。


こういう手に出て、そりゃ大多数のファンは喜んで全種買うだろうし、
イベント参加権を求めて、札束をぶん回す剛毅な人間もさぞかし多いことだろう。
そんなこんなで、結果、売り上げ枚数だったり、チャートの順位が上がったりするなんて事もあるやも知れない。
でも、本当にそれでいいのだろうか。ボクは大いに疑問だ。
「おまけ」目当てで複数枚買われたCDの末路など、推して知るべし。
簡単に言えばビックリマンチョコのチョコのようなものだ。
いや、買ったCDは全部、最低1回はプレイヤーに入れて全曲必ず聴いてます、というファンには無礼な物言いかも知れないが、
そんな心配をせずとも、買ったCD全てをちゃんとプレイヤーに放り込んでいる人間などまずいない。
全てはおまけの為。そういうファンが圧倒的多数だろうと思う。
ただ誤解しないで欲しいのは、別に、おまけだけを抜いてチョコを捨てるファンを責めようというのではないのである。
こういう売り方をしてしまうレコード会社と事務所ブレーンたちを、この場を借りてボクは大いに批判したいのだ。


昨今、CDが思うように売れず、その原因を若者のライフスタイルの変化や、音楽環境のデジタル化、
そしてそこから派生する、違法コピーなどの著作権侵害などに求める風潮があるが、
それ以前の問題として、レコード会社が、「いかに売れる楽曲を提供するか」ではなく
「楽曲をいかに売るか」ばかりに固執し、様々な特典物やイベントなどを乱発する事で、
歌い手の活動の結晶とも言うべき「楽曲」そのものの価値を大いに貶めているという側面がありはしないだろうか。
本来CDなんて、楽曲の良し悪しが評価の全てのはず。
ましてやファンは、特典があろうとなかろうと、ちゃんとCDは買うものだ。
にも関わらず、付加価値の高いおまけをつけ、肝心要の楽曲の印象がどんどん薄らいでいくなんて、
本末転倒以外の何物でもないではないか。
DVDやブックレット見たさに、あるいはイベントに行きたいが為に、何枚もCDを買わせ、
それだけでファンを満足させてしまうようなプロモーションなんて、やっても意味がないと思う。
そしてなにより、「とりあえずおまけ付けときゃ、ファンは黙って買うだろ」などと、
「向こうの人間」たちに、そう軽薄に思われているという事を、ボクたちはもっと怒らなければならない。
そしてそれは、我々ファンが謗られているのと同時に、
「ゴテゴテとおまけ付けなければ、たぶん売れない」と、ボクたちの愛するモーニング娘。でさえも、
そんな風に過少評価されているのだという事を、もっと深く認識するべきだ。


今回もボクはCDを買う。だが、CDショップに行くのは、イベントが終わってから。
それも、通常盤を1枚だけ買うつもりだ。
その行動こそが、ボクのモーニング娘。のCDに込める思い。
だってボクは、彼女たちの歌が聴きたいのだから。

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