339「存在の耐えられない安さ」



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ボクも、もうずいぶん長い事アイドルのファンをやってきて、
いろんな意味で物分かりは良くなったつもりではあるが、ただ一つだけ。
どうしても自分の中で納得のいかない、アイドルのお仕事というものがある。
逡巡はあれど、それでもお目当てのタレントさんの事は、全面支持したい。
だが、考えれば考えるほど、「なぜそんな事をする必要が…」の思いは拭えず、
そのジレンマは、どれだけファンとしてのキャリアを積もうが、常にこの身につきまとう。
人は「そんなに難しく考えなくても」と笑うかも知れない。
だが、ボクにはどうしても疑問なのだ。「水着グラビア」というお仕事が。


ボディパーツはくまなく精査され、表情や仕草からは性的な妄想が掻き立てられ、
そして最終的には「ヌケる」「ヌケない」という二者択一に話が収束していく。
別に、その辺に掃いて捨てるほどいる、一山いくらのグラビアタレントなら構わないのだ。
彼女たちは、裸みたいな水着姿を、扇情的に写真に撮られる事が求められる立場なのであって、
見る方に興奮してもらうという事実こそが、彼女たちの「甲斐性」であるとボクは感じるし、
だからこそ、そういう三文タレントの水着グラビアと対峙した時のボクの脳ミソは、
彼女たちのお望み通り、常に100%ピンク色である。
でも、そうではない者が、わざわざ同じように振舞う必要はないと思う。
それはアイドルのベーシック・ワークであり、避けて通れないという事は解ってはいる。
だが百歩譲って、本当に健康的なイメージで作られたものなら、まだ理解はできても、
「色っぽさ」とか「大人っぽさ」などという常套句を巧みに用いて、
安易にセックスアピールを強調するような姿を晒してしまう事には、疑問符を付けざるを得ない。
ここ最近のハロプロ界隈の写真集がそうだ。特に『アロハロ!』『ラブハロ!』シリーズには、
「度が過ぎた」セクシーを表現するカットがやたら多く、なんというか非常に残念だ。


誤解しないで貰いたいのは、別に「○○チャンが、むくけき野郎共の夜のオカズになるなんて耐えられない!」
というような、そういうくだらない事が言いたいのではないという事である。
別に、他人のオナニーの事までとやかく言うつもりもないし、やるなら勝手にどんどんやってもらえればいい。
あくまでもボクが危惧しているのは、安易に露出すればするほど、
三文グラドルにありがちな「安さ」が、ハロプロにもどんどん染みついていくような気がする事なのである。
それは、歌におけるセクシー路線でも同じことが言えるのだが、
簡単に肌を見せたり、無防備なポーズを取る事は、確かにインパクトは絶大かも知れないが、
同時に尻の軽さや、ガードの低さをイメージさせる、「安っぽい」というイメージがつきまとう。
はっきり言って、ハロプロは、そんな存在であってはならないと思うのだ。
水着の写真集もあっていいと思うが、三文グラドルとの差別化は、常に図っていて欲しいし、
最終的には、水着や露出がなくとも勝負になるという立場になっていって欲しいものなのだが。

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