332「メロンとメロン」



メロン記念日Wikipedia



決して食えないという訳ではなくて、いざ食う段となったら、むしろ美味しく味わえる方。
でも、「食べたい」と積極的には思わない。どれくらい消極的かというと、
例えば、貰い物か何かで家族が食べていて、その横を何気に通りすがろうとした時、
家族に「アンタも食べるかい?」とかなんとか言われたとしても、「いや、別にいい」と言ってしまうほど。
そして、美味い美味いとみんなが一生懸命食べているのを横目で見ながら、
「いやそりゃ美味いのは解ってるけどさ、スイカの方が美味くね?」とか思ってしまう。


なんというか、そういう感じの、好みが「可もなく不可もなく」な立ち位置の食べ物というのを、
誰しも持っていると思う。ボクの場合は何と言ってもメロン。
甘くて風味豊かだというのは知ってるし、出されればペロリと平らげる自信はあるけど、
自分で買ったりとかしてまで食べようとはしないし、
フルーツの盛り合わせにメロンが乗って来ても、おそらくほとんど手をつける事はない。
どうしてなのか自分でもよく解らないが、そんな食習慣でここまでやってきた。


食習慣だけではない。もう一つのボクにとっての習慣たる、ハロプロの応援においても、
メロン―――記念日の置かれた立ち位置というものはなんとも微妙だ。
なにせ、食べ物のメロンについて書いた冒頭の一文が、そのままメロン記念日の場合にもあてはまってしまうのだから。


決して好きじゃないという訳ではなくて、いざ見聞きする段となったら、むしろ人よりも楽しめてしまう方。
でも、「見聞きしよう」と積極的には思わない。どれくらい消極的かというと、
例えば、実際に行った人の書いたライブに関するレポートを読んでいる時、
猛烈に食指をそそられる内容があって、一瞬は見なかった事を後悔しかけても、すぐに「いや、別にいい」と、思ってしまうほど。
そして、最高最高とみんながメロンに熱狂するのを横目で見ながら、
「いやそりゃ良いのは解ってるけどさ、モーニングの方がもっと良くね?」とか思ってしまう。


食い物のメロンの場合とは違い、こちらの方はある程度要因がはっきりしている。
モーニング娘。などメロン以外のハロメンに目を向ける時間が多くて、なかなか手が回らなかった事。
そうこうしているうちに、「メロン流」とも言うべき、ファンとの絆やライブの形が完成し、
新参のボクにはなかなか入り込んで行き辛い感じになった事。
そして気がつけば、今もってボクは「メロン単独コン童貞」を貫いているという訳なのだ。
だが、しかし。この間の『ハロ☆プロ オンステージ!2007 「ROCKですよ!」』を観て以来、
記念日の方のメロンに関しては、自分の中で完全に「好物」となった感がある。


何というか、楽曲が実に心地よく耳に乗っかってくるというか、
最近のハローの楽曲に対してボクが抱いていた、何とはなしの窮屈さもなく、
理屈抜きで「ああ気持ちイイ」と感じさせてくれる楽曲群と、痛快な4人のパフォーマンス。
青年館で見たのは、おそらく、その片鱗に過ぎないのだろうが、
それだけでも、遅れてきたメロン中毒に罹るには十分過ぎたと言っていい。
今や『FRUITY KILLER TUNE』は通勤のお供に欠かせず、次のラウンジが平日と知ってガックリきてしまう自分ときたら、
今までの無関心ぶりは一体何だったんだろうと、心底感じる今日この頃。
ここにきて、メロン記念日との波長が合ってきたという事なのだろうが、
そうなってくると、この7年の回り道は、極めて痛恨と言えるかも知れない。
しかしまあ、そんな事にクヨクヨしていても仕方がないので、
とりあえずは、この2007年中に、ボクの「初めて」をメロンの4人に捧げる事を目標に、
ゆっくりと7年分の復習をするところから始めてみたいと思っている。

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