327「6期の真実〜道重さゆみは思うままに行け!」



道重さゆみWikipedia



その愛くるしさや、愛嬌のあるキャラクターも勿論だが、
ボクが彼女を見初める事となった、そもそもの大きな要因は、彼女の醸し出す「不思議感」だった。


思えば、加入して間もない頃の彼女は、普通の感性であれば、
キャラを作るべくどれだけ緻密に計算しても、絶対に出てきっこないような突拍子もない言動を、
何の計算も打算もなく、本能のままに振り撒いていた。
とてつもなく大きな鏡を持ち歩いていたり。自分の名前を「さえみ」と書いたり。トイレの洗面台の水に口をつけてしまったり。
それは、ヘタをすれば「アブない」と言われてしまいかねないエピソードばかりで、
「確かに可愛くはあるがちょっとヘン」という、好かれる嫌われるのギリギリの線を行っていたように思う。
無論ボクは、彼女のそういう「なんだコイツ」的な部分に大いに惹かれたクチで、
彼女が、フツーに可愛いというだけの存在だったならば、
たぶん彼女に想いを寄せる事もなかっただろう。


彼女のファンを標榜し始めて4年。
変わらぬ好意はあれど、胸に抱く「想い」は、あの頃からボクの中で確実に変化してきている。
もちろん、好きな気持ちは揺るがないし、決して嫌いになった訳でも、愛想が尽きた訳でもない。
優秀なファンとは言えないけれど、彼女のモチベーションの高まりに少しでも寄与できるならと、
なにか機会がある度、声の限りに彼女の名を叫び続ける日々は変わらない。
だが、ボクが本当に魅力を感じていた道重さゆみは、今はもういないような気がしている。


天然ナルシストのキャラクターを、今は完璧に「演ずる」彼女。
彼女本来の持ち味、言ってみれば「素」の部分とを上手く出し入れしながら、
今では、道重さゆみというキャラクターは、すでに構築されきった感がある。
そして、それは同時に、言動の危うさが消え失せ、
芸能人としての自らの表現方法を完全に体得し、一本立ちを果たしたという事でもある。
キャラばかりではない。歌の中でも重要な位置を与えられる事が多くなり、
それが自信となったのか、今では歌にも不安をあまり感じなくなったし、
また、久住小春の教育係として後輩を導いてきた中で、自らにも何か得る物があったに違いない。
そして、そんな二人の「合わせ技一本」とも言うべきレインボーピンクは、
道重さゆみの、まさに今現在の立ち位置を、具現化した存在であると言ってもいいと思う。



個人的には、彼女が成長し、しっかりと振舞うようになった姿に、一抹の寂しさも感じたりする。
だが、ボクの感傷などまたっくどうでもいい話で、
彼女が「天然」を「計算」に変え、タレントとしての器用さを身につけた事は、
モーニング娘。というグループにとって、非常に有益である事に間違いはない。
誰かに何かを着せられたりする事なく、自分の思うままに「コレ」と決めた道を
まっすぐに歩む事で、きっと彼女は、大きな結果を残す事だろうし、
現在OA中のソロのラジオレギュラーをきっかけに、さらに器用さを身につけていけば、
やがて、グループを牽引して行けるだけの存在にだってなれるかも知れないのである。

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