322「グルメになりたかった男の話」



地球温暖化防止イベント「モーニング娘。“熱っちい地球を冷ますんだっ。”文化祭2007in横浜」今年も開催決定!ZAKZAK



昨年の暮れに、今年の春の本体ツアーのチケット優先受付の案内が届いていた。
初日の座間昼と楽日のSSA夜を申し込んで、結果、さいたまだけ当選。
よもや卒コンになるとは思わなかったが、とりあえず大好きなSSAに今年も行けるということで一安心し、
この間、その代金を振り込んできた。が、レジで会計を済ませ、コンビニを出て、
ふと、チケットそのものが届くのは、まだ3ヶ月も先の事なんだよなぁ…などと考えたら、
なんだか急に、ちょっと虚しい気分になってしまった。
そして、それからそんなに経っていない数日前、コラムのネタ探しにとネットをうろうろしていたら、
モーニング娘。文化祭2007in横浜」の文字を発見。
思わず「これは一体なんなんだろう…」と、ボクは一人ため息をつくのだった。


最初ボクがFCに入ったのが2000年。2003年に一旦退会し、昨年3年ぶりに再入会した。
退会した理由は簡単。ファンクラブに入っているメリットが、少なくとも当時のボクにはなかったからだ。
今のように、パシイベやディナーショーや海外ツアーがある訳でもなく、
かと言って、グッズジャンキーでもないボクにとっては、通販もあまり魅力的なコンテンツではない。
当時メリットに感じていた事と言えば、コンサートチケットの優先と、たまに送られてくる「全プレ」くらいのものだった。
しかも、唯一の楽しみのはずだったコンサチケは、当時、1公演なんと7350円という値段もついたほどの高騰ぶり。
例えば土日の4公演を2枚ずつ申し込み、それが全て当選すれば、支払い金額は驚異の58800円。
気持ちは熱くも、これでは財布が寒くなる一方。だから、現場ドップリでそれが生甲斐でもあったボクは、
安いチケットの流通するオークションに逃げ、知人の余らせたチケットに頼り切るようになる。
そして、やがてチケットをほとんどFCに求めなくなってしまった時、会員更新を止めた。
思えば、ハロプロのバブル最盛期だった時代。演者もファンもイケイケで、なにもかもを勢いで片付けようとしていたフシがあった。


それから3年。コンサートのチケット以外にも、FCに入っていると実感できるメリットも増えたし、
ボク自身、現場を少し離れて生活にゆとりができ始め、見たいライブを自分のペースで見るという、
ある種の「贅沢」ができるようになったので、改めてFCに入会し直した。
以来、巷で評判だったパシイベにも行ったし、コンサートやFCイベントのチケット受付も積極的に利用している。
満足と言えば確かに満足だ。だが、冒頭のような、尋常ではないサイクルの早さには、
さすがに最近、ちょっとばかり付いていけなくなり始めている。


現場の回数が減り、ファンとしての活動のペースがなだらかになったから、余計に思うことなのかも知れない。
だがボクは、「噛んで味わう」グルメなハロプロファンで今後もあり続けたいと願う。
噛めば噛むほど美味しさが滲み出し、結果としてまた食べたくなってしまうのが、ハロプロの本質。
現場を離れたこの2年ほどで感じた、そんな経験則に基づき、
ハロプロという素材に、じっくりと舌鼓を打ちたいと思っているボクの心とは裏腹に、
料理を出す方は、コレでもかといわんばかりに早食いを強いる。
なんとも言えぬ圧迫感を抱きつつも、惚れた弱みは、今日もこの身体に早食いを順応させようとする。



これを悲しい性と言わずして、なんと言おうか。

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