321「全面見開き広告」



モー娘。2億円見開き広告のワケ…したたか顔見せ戦略ZAKZAK



先日の朝刊に大々的に掲載された、モーニング娘。の全面見開き広告。
うちはたまたま讀賣新聞を購読しているので、PC上の画像ではなく、
実際の紙面で見させてもらったが、まあなんというか、朝っぱらから実に壮観で、
あまりの扱いの大きさに、いささかの小っ恥ずかしさを感じながらも、
今や空想の世界以外ではまず見ることのできない、歴代メンバー全員集合の図を眺めながら、
思えば遠くへ…の感慨を抱かずにはいられなかった。
その後ネット上で、広告に対する、賛否ひっくるめた様々な意見を目にしたが、
ボク個人としては、これはこれで全然いいんじゃないかと思ったのである。
モーニングの目まぐるしい変遷を「構造改革」に見立て、
そのキーワードから、政治→内閣→雛壇写真というインスピレーション。
そして、乱雑に切り抜かれた顔写真を、これまたザックリとした感じで雛壇写真にコラージュし、
一見するとその出来上がりは、ヘタウマ風のなんとも言えぬ微妙さだが、
この微妙な出来栄えの写真の中にこそ、モーニング娘。が本当に伝えたいメッセージが込められているとボクは思うのだ。


モーニング娘。の根底には、常に「遊び心」がある。


もちろん、遊び方にも限度とルールはあるが、そこを逸脱さえしなければ、
モーニング娘。は、遊んでナンボの存在なのだと、あの写真は物語っているのではないだろうか。


始まりは『ASAYAN』という遊び場。ある日、オーディションで落ちた連中を集めて、
アイドルっぽい衣装と歌でデビューさせて、突然メンバー増やしたり、ユニット作ったり、
チャート競わせたり、いろんな無理難題とかもいっぱい押し付けたりして、
出演者もスタッフも、そして視聴者も全員を巻き込んで、コイツらで徹底的に遊ぼう。
思えば、それがモーニング娘。の始まりだった。
その流れは、10年経った今も、たぶん全く何も変わってなくて、
作り手は常に「遊び心」を意識してモーニング娘。を動かしている。
だから、本来はボクたちファンの側も、肩の力をちょっと抜いて、
作り手の仕掛けた遊びに乗っかって、モーニング娘。と共に楽しむのが正解なのかも知れない。
でも、ボクも含めて、今ではモーニングをそんな風には見られないファンが多くなってしまった。
変な格好や変な曲に、それが狙いと解っていてもやっぱり嘆息してしまったりして、
「ネタにマジレス」とは知りつつも、昔のように能天気に楽しむ事ができないのが現実なのである。
もちろん、それが悪い事だという訳ではないのだろうが、
今回の広告で、遊び心をとことん追求するモーニング娘。であり続けるという決意表明を受け取った以上は、
アチラとコチラの温度差をこれ以上広げないよう、
ボクたちの意識の変革も必要なのかな、と、思ったりもするのである。


それにしても、1人の欠員も出ることなく、歴代メンバー全員が広告に登場してくれて、本当に嬉しかった。
中には、ちょっと触れにくい話題を持つメンバーだっているし、その写真だけ省く事だってできたはずなのに、
「モーニングの歴史に一寸の途切れなし」と言わんばかりに、見事全員出てきた事は至福だった。
そしてなにより、この一言で、ボクはまだまだ戦えるのである。


「解散はいたしません」

75501