318「神様の意地悪」



吉澤、涙こらえライブ出演中日スポーツ



このコラムサイトを始めて2年とちょっと。
その間にも、ハロプロには大きなクライシスが幾度も訪れた。
安倍なつみのこと。矢口真里のこと。そして加護亜依のこと。
いずれもこの場所で取り上げ、そしてボクなりの意見を述べてきたが、
一貫して言ってきたのは「今ではなく、その先が大事なのだ」という事だった。


「祭り」と称して面白がられ、とても常人が吐くとは思えない、汚らしい言葉で彼女たちが罵られる現実があり、
見てみぬふりをすれば良いものを、つい看過できずにファンは反発し、
そして、その必死さがさらに愉快犯たちを刺激し、罵倒はさらに増幅されていく。
過去幾度と無く繰り返されてきた、そんな「時間の無駄遣い」を見るにつけ、
身を挺して彼女らを守らんとする姿勢もよく解るが、
おもちゃ遊びをする幼児相手の、いたちごっこの議論にばかりパワーを費やす事が、
果たしてファンとして、最も有意義な時間の使い方なのか。
どうせ相手は、そのおもちゃに飽きれば、また次のおもちゃを見つけて遊び始める、そんな幼稚な存在なのだ。
ならば、そんなもの意に介さず、それよりも、傷ついた彼女たちが安心して戻ってこられる場所を、
変わらず暖め続ける事のほうがうんと大事だし、くだらない誹謗中傷を相手にする事よりも、
そっちの方がよっぽどパワーも要求されるのだから、本当にファンだと言うのであればそちらに力を注いで欲しい。
「いつも通りのファンのみんながいる。だから、私はがんばれる。」
そんな安心感を捧げてこそのファンという存在なのではないか。
そういう思いを、ボクは文章に込めてきたつもりである。


何度も言う。本当に大事なのは、今ではなくこれからなのである。


今、とてつもない悲しみに打ちひしがれている吉澤ひとみに、ファンは何をしてあげられるのか。
彼女の辛さを共有すること。「がんばれ」の言葉をかけること。確かにそれも大事だが、
深い悲しみをなんとか乗り越え、彼女自身がなけなしの力を振り絞り、立ち上がらんとしている今、
その「強さ」に心から応えてやれるたった一つの術。
それは、ファンがいつものファンであり続ける事なのではないだろうか。


彼女は、一体どんな思いでステージに上がろうと決意したのか。
もちろん、ステージングの都合やビジネス的な要素というシビアな事情はあるだろう。
しかし、別に休んでも良かった状況で、それでも舞台に上がろうと思わせたものは、
やはり、ファンの存在ではなかったかとボクは思うのだ。
ファンの側が持つ大きな理想論と笑われても構わない。だが、ボクは彼女を信じたい。
そして、もし本当に彼女がそんな風に思ってくれているのならば、ファンたちはそれに応える必要がある。
コンサートを大成功させること。雑音に耳を貸すことなく、その一点だけを目標に、
ファンたちは残りの日程を邁進していって欲しいと、ボクは切に願っている。


『神様はいじわるじゃない』なんて歌もあったけど、そんなのたぶん間違いだと感じた週末。
それとも神様は、そんな試練の後にこそ、何かいい事が待っているとでも言うのか。
いずれにしても神様、与える試練がちょっと大きすぎやしませんか?

74735