310「サクラサク。ミンナノココロニ、サクラサク。」



元モー娘の紺野あさ美が慶大合格(日刊スポーツ)



雪の季節にサクラが満開! である。


もちろん狂い咲きなどでは断じてない。咲くべくして咲いた努力のサクラ。
今年の冬、例年以上に暖かい日々が続いていたのはきっと、
この高らかな開花宣言を華やかに彩る、天の神さまの粋な計らい。
そんな風に思いたくなるほど、本当に久しぶりのHOTなニュースだった。


思えば、「赤点」なんて言われていたのだ。


だがそれは、そう見えていたというだけで、実のところ赤点生徒でもなんでもなかったのである。
苦手だった歌とダンスは、血の滲むような努力を重ね、グループでソロが張れるほどの腕前になったし、
ほんわかぽわぽわ。よく笑ってよく食べる。そんなキャラクターは、みんなから愛された。
そして、勉強して夢を叶えます!とハロプロを卒業していった、「こんこん」こと紺野あさ美さんは、
その言葉どおり、がんばって勉強を重ね、夢への第1段階である高卒認定クリア、
そして今回、ついに大学合格まで果たし、赤点と呼ばれたイメージを完全に返上した。
輝かしい実績を胸に、優等生としての道を歩き始めた彼女が在籍していたという事実は、
今や、ハロプロの誇りと言ってしまっていいだろう。
そして、このトピックは、ただ単にオメデタイというだけではなく、
ハロプロの「これから」を考える上で、非常に重要な意味を持っているとボクは思っている。


カントリー娘。のあさみとみうなが、「芸能界以外の道を歩みたい」と卒業を決めた話は記憶に新しい。
これはボクのおぼろげな絶望的観測だが、今後、こういうパターンの卒業劇は、増えていくのではないだろうか。
ボクはそういう選択肢が理解できないタチなのだが、まぁ、今はその事についてとやかくは言わない。
で、仮に卒業しようとする者がそういう選択をして、芸能界を去る事になったとした時、
「本当に芸能界以外でつぶしが利くのか」みたいな不安を抱えるのは必然だと思うのだ。
まだ若いから、いくらでも何とでもなるというのも、もちろん一つの真理ではある。
だが彼女たちは、人間として大事な時期を、芸能界という特殊な世界で過ごし、
確かに、人には真似のできない貴重な経験もしてこれたが、
本来経験してきて当然の「人並みの生活」の多くを、時の中に置き去りにしてきてもいる。
学力しかり。一般常識しかり。恋愛だってそうだ。
芸能人としての立ち振る舞いが当たり前の彼女たちが、特別扱いを許さない一般社会へと飛び出す事への不安。
今回、紺野さんは、後進たちが抱えるそんなネガティヴファクターを、きれいさっぱり払拭してくれた。
信念を持ち、自分が信じて決めた道に向かって真摯に取り組めば、何事も必ず成功する。
芸能界卒業からわずか4ヶ月という早さで、三段跳びで言う「ホップ」「ステップ」までをクリアした、
紺野さんの姿はきっと、後に続く者たちの素晴らしいお手本となる事だろう。


それにしても紺野さん…いや、こんこんがアナウンサーを目指すなんて、
こんなに想像を掻き立てられる話はないというものだ。
5年後、局アナとして司会を務める番組に、結成15周年を迎えたモーニング娘。がゲストにやってくる。
メンバーとして一時代を築いた「こんこんアナ」とモーニングは、一体どんな話をするのだろうか。
そのとき、モーニングのリーダーをしているのは一体誰なのか。
そして、懐かしのVTRとして、ミスムンの唄い出しの映像かなんかが流れ、
きゃあきゃあ言いながら、モーニング時代のように頬を紅潮させて恥ずかしがるこんこんアナ…


こんなことならもう、こんこんにメイチがんばってもらうしかないではないか。

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