302「ハロモニ。が、モーたいへんなんです」



ハロー!モーニング



今さらこんな事を言うのもなんだが、ハロモニ。という番組は、
(ほぼ)全国のファンが、モーニング娘。の姿を毎週見る事ができる、唯一のテレビメディアである。
他の出演番組は全て関東ローカルか、ネットされていてもほんのごく一部で、
ボクのような地方在住のモーニング娘。ファンにとってのハロモニ。は、
ファンとしてのモチベーションを維持する為の「頼みの綱」であると同時に「最後の砦」でもある。
だから、番組が続いてさえくれれば、後は別になんだっていいのだという思いは正直あるし、
そういう気持ちだったからこそ、ここまでほとんど毎週欠かさず番組をチェックしてこれた。
だが、そんなハロモニ。が、今、大変なことになっている。


メインコーナーは、来る日も来る日も、動物とグルメを題材にしたロケ物ばかり。
ロケをする事自体は全く悪くはないが、毎週毎週ほとんど代わり映えしない内容で、
しかも、ロケとしてのまとまりがVTRから全く感じられないし、
最近は見ていて苦痛にすら感じるようになった。
番組内で最もハロー色の強いのは、クッション的に挟まる「ワールドプッチゲーム」と
「発汗CM」のコーナーで、さすがにこの二つは非常に楽しく見させてもらってはいるが、
全体を通して、明らかに番組の質は低下の一途を辿っていると言わざるを得ない。
要因と考えられるのは視聴率だろう。ファンなら何も言わなくても絶対に見るだろうから、
それ以外のお客さんを取り込んで、なんとか数字を…と願うのは決して誤りではない。
今のご時世、あの時間帯に、モーニング娘。という名前だけで
ファン以外の視聴者を引っ張るのはさすがに難しいだろうし、
それならば、情報番組的な切り口で、なんとか数字を取っていこうという計算なのだと思うが、
中途半端に一般視聴者に擦り寄ってしまったおかげで、今度はファンが見て全然つまらない番組になってしまい、
しかも、一般の視聴者もアレを見て何かを思うかと言えば、申し訳ないけどそんな風には思えず、
非常に中途半端な空気が、今ハロモニ。という番組を包み込んでいるような気がしてならない。
さらに、今年の夏には、モーニング娘。を出さず、Berryz工房だけで番組を1本作ってしまうという事態まで発生。
迷走を続けるハロモニ。に、未だ光明は見えない。


ふと思い出したのは『モー。たいへんでした』の事だ。


2001年。まさにブレイクの絶頂期に、日本テレビ系全国ネットにおいて、
鳴り物入りでスタートしたテレビレギュラーだったが、結果として大惨敗を喫し、
モーニングの黒歴史の一つとなっている、ある種、伝説の番組である。
初回は、中澤裕子の卒業を題材に、なんと2時間のスペシャルとしてオンエア。
しかもその内容がまた実に素晴らしく、この番組の洋々たる前途を我々ファンは期待したものだった。
だが、2回目以降からは、初回の出来がまるでウソのような、
グルメ・動物・子供を使った陳腐企画のオンパレード。
メンバーがまだ、器用になんでもこなす事が出来なかった時代とは言え、
まさに、別に誰がやろうが成立するような企画ばかりが彼女たちにあてがわれた。
唯一斬新だったのは、メンバーを政治記者に仕立て、政治家にインタビューさせるという企画で、
当時の首相・小泉純一郎に「日本の未来はモーニング太陽」とか笑顔で言わせてみたり、
のんが自民党総裁の椅子に座ったりと、まあそれは良かったのだが、
ナベツネやら氏家某やら、身内をジャンジャン出す姿勢には閉口したものだった。
しかも、番組に登場するメンバーが回を経るごとに徐々に少なくなり、また固定化もし始め、
さらには、やたらとメンバー以外の芸人やタレントが登場するようになってくると、
だんだんと、「モーニング娘。のレギュラー番組」という体裁に説得力がなくなっていく。
そこに追い討ちをかけるように、ナイターシーズンともなると、番組休止の回数が激増。
「ドーム以外の試合で、しかも雨天中止の時だけ番組が見れる」というとんでもない状況のまま、
何もかもがジリ貧状態で、それでも番組は延命され続ける有様。
ついには、モーニング娘。を全く出演させる事無く、100万円プレゼントだとか、
数字が取れなかったらプロデューサーが坊主になるとか、
全く意味のわからない状態に突入し、なんとも無様な恰好で番組は終焉を迎える事になった。
当時絶頂期だったモーニング娘。のレギュラー番組にも関わらず、
モーニング娘。というグループを活かした企画で勝負ができなかったスタッフの手腕の無さ。
全部が全部とは言わないまでも、今のハロモニ。にどこか通じる部分があるような気がするのだ。
ましてや「大本営」であり、彼女たちの能力をどの関係者よりもよく知るはずのハロモニ。が、
今や小器用になんでもこなすようになったモーニング娘。に、
毒にも薬にもならないような企画をやらせるなんて、愚の骨頂以外の何物でもない。


確かに、ハロモニ。が終わってもらっては困る。
だが、ハロモニ。らしさがなくなってしまう事は、ボクにとってはもっと困る事だ。
もはや「死に体」だと言うのなら、その事実は甘んじて受ける。
だから、どうせそんな状況であるのならば、思い切りモーニングとハロプロで遊んで欲しい。
大笑いして、楽しい気分で最後を迎えられるのであれば、それは本望だし、
少なくとも今のまま「はい終了」なんて事言われたとしたら、
ボクはそれをもって、ファン稼業を投げ出してしまうかも知れない。

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