301「わかれうた」



カントリー娘。「あさみ」「みうな」卒業のお知らせ(オフィシャルサイト)



まあ、本当のところどういう状況なのかなんて、
末端のファンに過ぎないボクらには一生解らない事だし、
またそういう部分を突き詰めていったところで、それでどうなるものでもない。
いつだってボクたちは「結果」だけしか聞かされる事なく、
起こりうる全ての事を無条件に承服しなければならない、ある意味においては非常に辛い立場にいる。
何事においても「これはポジティヴな事なんだ」と前向きに受け止められれば良いが、
この世の中、そんなに物分りのいい人間ばかりではない。
最終的には受け入れるとしても、突然つき付けられた、愛する人との別れを、
悲しみ、嘆き、そして必死にあがくのはファンとして当然の帰結だ。
まして「まさか居なくなる訳なんて無い」という油断があれば、なおさら衝撃の度合いは増すだろう。
もう何度も経験してきているはずの「突然の別れ」に、またしても打ちひしがれる。
ボクたちはなんて、無力な存在なのだろうか。


彼女たちには、フットサルという確固たるメイン・フィールドがあったはずなのだ。


確かに、歌い手として、あるいはタレントとしての
現在のカントリー娘。は、低空飛行だったかも知れない。
りんねが去り、「半農半芸カントリー娘。」という体裁が事実上取り払われた時から、
事務所は彼女たちを本気では売ろうとしなかったフシがある。
モーニング娘。からのレンタルメンバーが中心に据えられ、
本来主役であるはずのカントリー娘。が「つけ合わせ」に甘んじる事を
余儀なくされた事実が、それを如実に物語っている。
新曲も出せず、「開店休業」だったカントリーがようやく掴んだ一筋の光明。それがフットサルだった。
スポフェスで、持ち前の運動能力をフルに発揮し、ハロプロ体育担当の座を獲得した彼女たちにとって、
フットサルは、久しぶりに主役を張れる舞台だった。
他のメンバーが仕事を理由に練習や試合を欠場する中、カントリーの3人だけは、
フットサル要員・是永美紀と共に、いかなる状況であってもガッタスを支え、
チームを現在の地位にまで押し上げてきた。彼女たち無しではガッタスは成立せず、
あのフットサルのコートこそが、彼女たちの「生きる道」そのものだった。
来年以降も続いていくであろうフットサル活動。当然、無くてはならぬカントリーのメンバーなのであれば、
彼女たちがガッタスはおろかハローまでをも去ってしまうなど、
どんなに嗅覚の良い者であっても、想像だにできぬだろうし、油断するなという方が無理な話である。


今ボクが思うのは「なぜ?」という事。ただそれだけである。
何度も言うが、彼女たちのいかなる胸中が「卒業して社会人に」という道を選ばせたのか。
本当のところなんて誰にも解らない。
ただ、少なくとも、彼女たちは必要とされている人材であり、然るべき立ち位置はちゃんと存在しているのだ。
フットサル要員であり続ける事が、彼女たちの気に染まないという部分もあるかも知れないけど、
ハロプロという大集団の中で、確実に輝ける場所を持っている彼女たちが、
なぜ、そんな切ない決断をしなければならなかったのか。
ボクには、そのあたりがどうも解らないし、解らないからこそ余計に、
彼女たちとの別離が、寂しく思えて仕方がないのである。


目を閉じると浮かんでくるのは、ギターを弾くりんねの横で、ちょこまかとタンバリンを動かしていたあさみの姿。
ボクらが作り上げ、ボクらが愛してきたハロー!プロジェクトの風景が、また一つ消えていく。
立ち止まらずに進んでいく事で、これまでファンとしての存在証明を築き上げてきたけれど、
ファンとしてのボクを醸成した「いい時代」の終焉に平気な顔ができるほど、
ボクは完璧なファンじゃない。だから声を大に言う。


ボクは今とても切なくて、そして寂しい。

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