295「『歌ドキッ! 〜ポップクラシックス〜』」



歌ドキッ! 〜ポップクラシックス〜(オフィシャルサイト)



一連のハロプロ仕事の中で、手放しで100点満点をつけられるものは? と問われれば、
ボクは真っ先に『FORK SONGS』シリーズのアルバムを挙げるだろう。
まあ、選曲が個人的にツボに嵌っているというのがその最たる理由だったりする訳だが、
なんというか、ハローのメンバーでこの曲を聴けるのか!という、ちょっと贅沢な気分とか、
そして、いわゆるJ−POPと呼ばれる、若い世代向けに特化したベタなヒットナンバーの羅列ではなく、
フォークや歌謡曲といった、ちょっと昭和のニオイのする泥臭い楽曲を、
その真逆とも言うべき、時代の先端を生きる「イマドキの女子」代表のハロプロメンバーが、
屈託なくカヴァーするうという事の新鮮さとか。
確かに「企画モノ」には違いないが、企画モノと呼ぶにはあまりに惜しい、
秘めたる素晴らしさを持つアルバムだとボクは感じるのである。
そして、そんな古き良き昭和歌謡のトリビュートアルバムを、
他の力に頼る事なく、自前のアーティストだけで作りあげてしまうのだから、
アップフロント軍の選手層の厚さには、今更ながら恐れ入ってしまう。
そういう感じであるからして、今クールからテレ東深夜のアップフロント枠で始まったという、
『歌ドキッ! 〜ポップクラシックス〜』には、『FORK SONGS』のテレビ版というようなイメージを勝手に持ち、
他人の評判は二の次にして、結構な期待感を持っていたりしたのである。


で、最近になって番組を入手して見てみたのだが、何と言うか、
イメージしていたものとは大きく異なっていて、いささか拍子抜けの感は否めなかった。
いや、そもそも過剰に期待感を抱きすぎたという部分はあるのだが、それにしてもガッカリした。


ガッカリ感最大の要因は、放送時間の短さ。これに尽きるだろう。
ハロメンにちょこちょこいろいろな事をさせ、それを何回かに分けてオンエアするという、
これまでの番組体裁ならば、10分弱という短時間であっても、
満足できる内容とまでは言わずとも、そこそこ成立していた部分はあった訳だが、
ヒット曲を振り返るという、どちらかと言えば重みのある企画においては、
この時間の短さというものは、即「物足りなさ」に直結するのではないかと思うのである。
事実、ボクがオンエアを見て抱いた率直な感想は「もうちょっと見たいな」というものだった。


かつて、不朽の名番組『ガレージ』において、当時のハロプロメンバーたちが、
GSのカヴァーを披露し、それがCD化までされたという過去があるが、
あれくらいのものがやれても良いのではないかと、ボクなんかは感じてしまうのである。
今のような泥臭い感じではなく、もう少し洗練されたというか、
特にハロプロがこういう形の今だからこそ、彼女たちの奥底に秘められた
アーティスティックなところを、もっとフィーチャーできれば、
あるいは、もう少し番組が引き締まっていくのかなとも思うのである。

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