279「社長の椅子」



TNX株式会社(公式サイト)
“つんく♂社長”新会社設立(デイリースポーツ)



ニュースを聞いて、ボクはまたてっきり、何かのネタかと思っていたのである。


つんく♂が社長。


もう、どういう風に考えてみても「シャッチョッサン」方面の光景しか頭には浮かばず、
少女歌劇の次はフィリピンハブですかと、ひとりニヤついていたりしていたのだが、
次々に入ってくる情報によると、どうも、つんく♂は本当に社長になったらしいというのだ。
ニュース記事を頼りに、つんく♂が社長を務めるという、
TNX(ティーエネックス)社のサイトを覗いてみると、
なるほど、確かに社主として派手に顔出しをしたご本人が、
『うまい・やすい・安全』などといった、狙っているとしか思えない、
一風変わったスローガンやモットーを披露している。
でも、パッと見て、それは彼がこれまで仕掛けてきたオモシロ企画の趣きとそう大差はなく、
サイトを見つつも尚、つんく♂が会社を作ったという話にリアリティなどほとんど感じなかった。
だが、やっぱりなんかの企画なんじゃん…と、なにげに「会社概要」のところをクリックして、
ボクは、ようやくこの一件が、ネタでもなんでもなく大マジなのだと実感する事になるのである。
型どおりの会社概要には定番とも言える、「役員構成」の欄。
そこに、代表取締役として、はっきりと【寺田光男】という名前が記されていたのである。
ご存知のように、これまでの芸能活動において、彼がその本名を明かすことは、
一度たりともなかったし、むしろ、彼の本名ネタはアンタッチャブルなものだった。
それを鑑みたとき、堂々と本名を曝け出し、しかも1億円の資本金を費やして、
自分の城を築いたというのだから、これはもう相当マジな社長業であると言わざるを得ず、
その事の重大さを、ただただ驚嘆せずにはいられなかった。


ボクは社長になった事なんてもちろんないし、会社の最高責任者が、
どのような仕事をしているのかなど、全くリアルではないし解らない。
だからまあ、そこはそれで、大丈夫であるという風に信じたいのだが、
社長業とそれまでのプロデューサー業を、
果たしてどちらも100の力で取り組む事は可能なのか。
この話を聞いて一番怖いと思ったは、
社長自身や自社のタレントの仕事が立込んでいるからと、メイン・ワークスと言っても良い、
ハロプロ楽曲のリリースが減ったり、楽曲自体に良さがなくなってしまわないかという事。
結婚というターニング・ポイントの時も思った、つんく♂の「守備固め」の姿勢に、
なんとなく一抹の不安を抱かずにはいられないのである。
もちろん杞憂である事は解っているが、なんとなく、イヤな感じの想像が先にたってしまうのは、
モーヲタとしての悲しい性なんだろうか、やっぱり。