275「『ともいき・木を植えたい』」



ともいき・木を植えたい



文化祭といえばもう一つ、ちょっと印象に残った事があったので、
この場にぜひ書き記しておきたい。『ともいき・木を植えたい』のことである。


ボクとてファンの端くれである。それが、ハロプロエッグから派生したものである、
という事だけは、なんとなく知ってはいたのだけど、
その実態が果たしてどういうものか、というのは全く未知の世界で、
そもそも『ともいき・木を植えたい』までが、いわゆるユニット名だというのも、
帰ってきていろいろ調べて初めて知ったくらいである。
まあ、そんなおマヌケエピソードはなどはともかく、
全くなんの接点もないような場所に、実はハロプロの名を持った存在がいた…
という、ある種の意外性は個人的に嫌いではないし、
エッグの選抜組『THE ポッシボー』(ともいき〜もおかしいが、これも相当のものだと思う)の
演劇方面の活動への参入というトピックと考え合わせても、
エッグメンバーたちの使い方には、かなりの可能性が秘められていると考えて差し支えないだろう。
もちろん今後は、マイナーリーグたるハロプロエッグから、
ハロプロの中の重責を担う、それこそメジャー選手が誕生する可能性も大いに考えられるし、
『ともいき〜』が、今回の文化祭で、おそらく初めて大多数のファンの前に姿を現した事は、
ハロプロエッグにとって、大きな一歩であると言えるだろうと思う。


ただ、ステージを見ながら改めて感じたのは、
ハロプロエッグが、発足以来なぜか頑なに押し通し続ける、
秘密主義的とも言える「情報の出し惜しみ」が、
可能性を秘める彼女たちの飛躍における、
大変大きな足かせになっているのではなかろうか、という事であった。


ボクは文化祭に参加し、運良く『ともいき〜』の活動する姿に触れることができたから、
なんとなく彼女たちに関心を持つようになった。
そんな機会でもなければたぶん、彼女たちの事を特に深く知ろうなんて、
きっと思わなかっただろうし、メンバーのひとり「のっち」こと能登有沙クンが、
「おっ」とそこそこ目を引く存在だとか、
彼女が実は高校3年生という、ハロプロ内でもかなりの年長さんだとか、
そんな事もたぶん、知らずにこれから先を過ごしていたに違いないのである。
なんというか、例えいい活動をしていたり、いい素材が揃っていたとしても、
それが、大々的にアナウンスされずにいたら、何の意味もないのではないような気がするのだ。
仮にも、歌やダンスや演技など、人々の目を引くという事を目的とした
パフォーマンスを売り物にしている集団ならば、
練習生だろうが、マイナーリーグだろうが、その立場に関係なく、
演者が最も目立つ形で、その存在を引き立たせてやるのが当り前というものではないのだろうか。


衆目をガンガン浴び、知名度や活動の内容をもっともっと世間にアピールする。
その行為は、どの面から見ても決してマイナスになどならないと思うのだが、
それでも作り手たちは、ハロプロエッグを積極的に世に出したがらない。
あるいは、そういうミステリアスな部分をわざと演出して、
ボクのような単細胞を、まんまと術中に陥れているのだろうか。
イマイチよく解らない世界だが、確実に言える事はただ一つ。
ちゃんとしたプロモーションを展開さえすれば、
第2のモーニング、そして第2のBeryyzの誕生も決して絵空事ではない。
そんな逸材揃いとおぼしきハロプロエッグの全貌が明かされる日が来ることを、
今は、切に望んでやまないのである。