269「食わず嫌い王決定戦」



Gatas Brilhantes H.P. Official Site



先日、友人宅で呑んでいたときの話。
酒の肴にと、友人が録画してあったフットサルの試合を見始めた。
このコラムの賢明なる読者の方ならばご存知のように、
ボクはこの場で幾度となく「フットサル不要論」をぶち上げては大顰蹙を買ってきた過去がある。
果たしてつまらない酒の席になったのかと言えば、それが全然そんな事もなく、
その場に居た誰よりも熱心に映像を見つめ、
そして知る限りの試合結果やチーム状況などを、まあ酒の勢いもあって、
一端にひとしきりくっちゃべったところで、友人がポツリと一言。


「反フットサルの急先鋒だと思ってたけど、割にいろんな事知ってるじゃない」


ハローに関する雑文を書くにあたっては、何をテーマにするにしても、
やはりそれなりの基礎知識が必要となる。
だから自分個人としては「別にいらないだろう」と思っている情報であっても、
中身を一応はさらっておいて、後々の文章に活かしたりしている。
フットサルに関しても、個人的には否定的な意見は持ちながらも、
そういったコラムの為の「予習復習」を通して多くの知識を獲得したまでで、
言ってみれば、一種の職業病的な趣きだとも言えるのだが、
そんな事を言われ、ふと、自分はやはり「食わず嫌い王」なのだろうか…
とかそんなことを思ったりしたのである。


ボクにとっての最大の食わず嫌いは、なんといってもハロプロキッズの皆様方であった。
初期の当コラムなんぞを読み返してみると、
まあ彼女たちへの興味や関心の薄かったこと。ところが今となってはどうだ。
名前と顔は一致するようになったし、楽曲面を賞賛する事も多くなった。
嫌いだと思っていた物を口にし、美味しいと感じられるようになると、
気が触れたようにそればかりを欲してしまうという事はありがちだが、
ボクにとってのBerryz℃-uteは、まさにそんな感じだったと言えるだろう。
今では、すっかりと美味しくいただきつつある今日この頃。
まあこれは、食わず嫌いの典型のようなお話ではあるが、
ことフットサルに関しては、決して食わず嫌いで酷評している訳ではなく、
全てを噛み締め、その上で下したNOのジャッジなのである。


決してボクは、ガッタスも含めた、女性芸能人フットサルのジャンルを
全部一括りにして否定するつもりはないのである。
事実、フットサルの模様を見ると、スポーツ好きの虫が騒ぎ出すし、
だからこそ、件の酒の席でも、バカ話そっちのけで試合に釘付けだったのである。
だが、「お仕事」の側面からフットサルというものを捉えるとき、
抱える怪我のリスクとか、主要メンバーがミュージカルの為試合に出られず、
他のチームが、揺るぎのない固定ベストメンバーを揃えているのに対し、
極めて薄い選手層でしか試合に臨めない状況とか、
そんな中にも関わらず、それでも尚、結果を求めようとする姿勢とか。
負けて悔し涙を流すほど、選手たちが真剣に取り組んでいる姿とは裏腹に、
作り手側が、実際にガッタスをどうにかしてやろうという気概があらゆる面で伝わってこない。
そういう矛盾の構図が、ボクにはどうも怪しげに写ってしまうのである。
もちろん、ボクの中で、そういった不信感が綺麗に拭い去られたならば、
キッズにいとも簡単に転んだような「心変わり」があっても不思議ではないが、
まあ、状況を見る限り、今のところそういう感じでもなさそうである。


ある意味、ポリシーやこだわりといった部分ともリンクしてくるだけに、
「食わず嫌いでした」と、あっさり認めてしまうというのも、
それはそれで問題があるような気もするが、
意地を張って、批判的なキャンペーンを展開し、
後で大恥をかくくらいなら、素直に認めた方が得策なのは間違いない。
だから、ボクの心変わりをどこかで発見したとしても
「ああ、またコイツやりやがった」などと後ろ指など差すことなく、
暖かく見守ってやっていただきたいと、切に願ってやまない。