268「熱っちぃ地球を覚ませるの?」



地球温暖化防止イベント・モーニング娘。"熱っちぃ地球を冷ますんだっ。"文化祭2006in横浜 公式サイト



と、言う訳で、今年も開催される運びとなった、
地球温暖化防止イベント・モーニング娘。"熱っちぃ地球を冷ますんだっ。"文化祭2006in横浜』。
地球温暖化という、おそらく我々に最も身近であろう
「国際的社会問題」を、モーニング娘。と一緒に解り易く学び、
そして、参加者個々のエコロジーに対する意識を高めようという、
まあ、平たく言うとそういう趣旨のイベントである。


でまあ、のっけからこういう事を書いてしまうというのは、
非常にドッチラケなのであるが、あえて核心を突くなら、
一体どのくらいの人間が、そういった高尚な企画意図を明確に意識した上で、
イベントに参加するのだろうか。
いや、もちろん自分ばかりいい格好をするつもりはない。
ボクとて、再来週に足を運ばんとしているのは、
2年ぶりの「生エコモニ。」を見るのが目的であって、
殊更にエコの意識を高めてやろうというつもりは、残念ながら今のところはない。
というか、環境科学を学ぶ為だけに、わざわざ横浜くんだりまで行くほど、
ボクは勤勉でもなければ物好きでもないのである。
そして、それは何もボクだけの身勝手な論理でもないだろう。
やはり、そこにモーニング娘。ハロプロメンバーがいるからこそ、
多くの参加者たちは、会場に出向いていくのであろうし、
タイトルの冠に「モーニング娘。」と付けられているように、
作る方も「エコはともかく、ファンの皆さんとりあえず来て下さい」的な、
コンサート同様、モーニング娘。ハロプロ主体のイベントとして、
彼女たちを主眼に置いた企画を、少なくとも、過去の文化祭では構成してきた。
だが、今回の文化祭。開催日が近づくに連れて、徐々に明らかになるその中身を見るにつけ、
実のところ、少しばかり参加への意欲が薄らぎつつある。
なんというか、本当にこのイベントにハロプロが必要なのかどうか、
いささかの疑問が、ボクの頭をよぎるようになってきたのである。


気になったのは、アンパンマンの存在。


もちろん、みんなのヒーロー・アンパンマン自体に罪はない。
ただ、モーニング娘。のイベントたる文化祭に、
アンパンマンがぽつねんといる理由が、ボクには今ひとつ理解できずにいる。
幼児向けの企画? アンパンマンサイドからのゴリ推し?
真相は解らない。だが、ここでのアンパンマンの投入は、
イベントそのものの「一般化」を意味するのではないかとボクは思う。
もちろん、一般に向けても訴求しているイベントなのだから、
文化祭が一般化したって何ら問題はない。
だが、このイベントは、あくまでも「モーニング娘。の文化祭」なのであって、
文化祭にモーニング娘。が呼ばれている訳では決してないのである。
アンパンマンが客演として登場し、寸劇等でハロプロのメンバーと絡む、
というのならば、まだ話は解らなくもない。
ところがアンパンマンは、あくまでも単独の存在で客を呼ぶという事らしく、
つまり、ファンではない層=一般層をそこに取り込もうとする意図がはっきりと見て取れる。
そして、それはすなわち、ハロプロ主体のイベントであるという文化祭の大前提の部分を、
根底から覆してしまうような行為であるような気がすごくするのである。
何度も言うが、ボクはモーニングのイベントとしての文化祭に、入場料その他をを投じるのであって、
ただの「横浜環境祭り」の為だけに、時間と費用を消費するつもりは毛頭ない。
これからの数日、イベント情報は変化していくことも予想されるが、
作り手側のスタンスの取り方について、ちょっと冷静に見つめて行きたいと思っている。


まあ、お目当てのものが見られるんだから、
別にいいじゃないか…と言われてしまえばそれまでの話。
だが、初年度の文化祭の時のように、ステージにはハロプロが出ずっぱりで、
会場のあらゆるところにハロプロ色が散りばめられた広大な会場で、一つ深呼吸をして
「ああスペシャルなイベントにきてるんだ」という、独特の高揚感が味わえないと、
なんとなく行った意味も薄れてしまうような、そんな気もするのである。