262「You are my sunshine〜1」



小川麻琴Wikipedia



例えば、全く何も知らない人に、モーニング娘。のメンバーについて
説明するなんていう機会があったとして。
それぞれのメンバーの、いろいろな特徴を駆使して、
なんとかモーニング娘。というものを解ってもらおうと躍起になる中、
彼女について説明するにあたり、きっとボクは、こう話すだろうと思う。


モーニング娘。の『太陽』です」


彼女――小川麻琴を端的に、しかも的確に表現するキーワードを探ると、
どうしても「ムードメーカー」だとか「お笑い担当」だとか、そういう方向性に行きがちだ。
(本人が好きでやってたから、その辺はしょうがないっちゃしょうがない部分はあるけども)
だが、彼女が、ただただ道化に徹していただけの存在だったかというと、
決してそんな事はなかったという事は、少なくともモーニング娘。
普段からよく見ているファンなら解っているはずなのである。
彼女が周囲に笑いをもたらす事で、る暖かさや、ある種の安堵感が生まれる。
居てくれるだけで、陽光の射すがごとく、その場がぱーっと明るくなる。
いつの日からか、モーニング娘。の頭上に燦燦と輝く太陽となった小川麻琴
それはたぶん、誰にも代わりができない唯一無二の存在なのである。


今で言う「エース候補」だった。


歌とダンスの実力。そして、負けん気の強さ。
オーディションのダンス課題に際し、9人いた候補者の中から、
鬼軍曹・夏まゆみが選んだダンスの主軸は、誰あろう当時の小川麻琴だった。
太陽然とした、ふくよかな今の姿からは想像がつかないほどに
センシティヴな風貌。そして、そこに見え隠れする才能の片鱗。
突き刺さるような個性は、当り前のようにつんく♂の目に止まり、
彼女はモーニング娘。の一員となった。新勢力加入のケミストリーに高まる期待。
それに応えるかのように、初のシングル『Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜』では、
主役・吉澤ひとみの実質的な相手役(しかも恋する乙女役)に抜擢。
また、今となっては初々しいA.猪木のモノマネで、
当時、石川梨華の寡占状態だった「シャクレ分野」に堂々と殴りこみをかけるなど、
確かにあの時、彼女は「時代」をその手に掴みかけていた。