261「ミュージックV特集〜キューティービジュアル〜」



ミュージックV特集〜キューティービジュアル〜UP-FRONT WORKS



やはりボクは、Berryz工房よりも℃-uteの方に、
何とはなしの魅力を感じてしまうのである。


出初めの頃、初々しさはあっても、グループとして魅力的な存在だったかと言えば、
必ずしもそうではなかったと言える当時のBerryz工房
メンバーそれぞれが年齢を重ね、精神的、肉体的に
グングンと成長し、ついぞここまでの存在になった。
そんな、時間をかけて魅力を磨いてきたBerryzとは違い、
写真映えするビジュアルしかり、さまざまな経験に裏打ちされた歌の力しかり、
℃-uteは、すでに「出来上がり」の状態で世に登場した感がある。
Berryz工房への選抜という関門があり、そこから漏れたキッズのメンバーを、
ギュッとひとまとめにして作られたグループ。
本来ならば、言い方は悪いが残り物的な趣きを感じてしまうところではある。
だが、ジャケットを見ても解るように、彼女たちから放たれているのは、
そんなネガティヴなオーラなどではもちろんなく、
ローティーンの、ポップなキュートさから、
ハイティーンの、年齢相応に少し艶っぽい可愛さまで。
さまざまな魅力に富んだ、鮮やかな色彩の詰め合わせセット。
おそらく、緻密に狙って作ったという訳でもなさそうなのに、
個性的でありながらも、整合性のとれたグループが形作られている。


「残り物のメンバーを集めて作られたグループ」
とは、なんかどこかで聞いた事のあるような話である。
そこで、はたと気が付いた。なぜボクは℃-uteの事がこんなにも気になるのか。
それは、ハロプロの偉大なるフロントランナー・モーニング娘。の姿を、
勝手に℃-uteに投影していたからかも知れない。


その在り方も、そして毛色も全く違うモーニング娘。℃-ute
ボクだってバカじゃないから、二つを単純に比べてどうこうなんて事は言わない。
というか、モーニング娘。の持つ「貫禄」みたいな部分を、
℃-uteが醸し出せるようになるには、かなりの時間を要するはずだし、
彼女たちがモーニング娘。に肩を並べられる存在なのですかと問われたとき、
即答するだけの根拠を、正直ボクは持ってはいない。
だが、モーニング娘。の放ってきた数々の輝きを思い返してみると、
なんとなくではあるけれど、今の℃-uteとの共通項のようなものを感じてしまうのだ。
それは例えば、秘めたるポテンシャルだったり、
あるいは、幕の内弁当的な彩りの鮮やかさだったり。
なんというか、見ているだけで楽しくなってくるような存在。
℃-uteは、モーニング娘。を見るたびに抱いているそんな思いと、
ほぼ同じ感覚を味あわせてくれている。
そして、これからどんな風に変貌を遂げていくのか、という部分に対しての期待感もしかり。
まあ、モーニングのようには夢中にはならないだろうが、
気になる存在として、チェックして行く事にはなりそうである。


メジャーデビューは、鮮烈にビジュアル作品で。
それもまた、℃-uteというグループの真価を存分に発揮するのに、
ふさわしいスタートラインと言えるだろう。