259「他人の迷惑顧みず」



〜コンサート時のマナーについてのお願い〜(FCからのお知らせを書き起こし)



夏風邪で床に伏せっていた週末。
久しぶりに何も考えず、布団にくるまったままただじっとしていて、
ふと、そういえば、コラムで何か言おうとずっと思ってて、
いろいろあって言い忘れている事があったはずだ…というのを思い出したのである。
ところが、それがなんだったのかが、どうしても思い出せず、
すこぶる体調の悪いところにきて、さらに気分的なモヤモヤは倍増した。
週が明けても、まだやっぱり思い出せず、
一体何を言いたかったんだっけ…と、頭の片隅で思いを巡らせながら、
今日のコラムの準備をするのに、ついさっき、いろいろとサイトやブログを巡回していたら、
突然に、その何かというのを思い出したのである。
ちなみにその時見ていたテキストは、今年の夏ハロのセットリスト。
曲順をなぞらえながら、代々木当日の風景に思いを馳せていた時に、
嫌でも思い出さざるを得なかった「あの光景」。
おそらく、不快な思いをしたのはボクだけではないはずだし、
もろもろ自らのファンとしての在り方はこの際棚に上げ、
今回は、ズバリ言わせてもらう所存である。


最近、コンサート会場で目に付くのが、コンサートグッズの『トレーディングポスター』を、
お目当ての物と物々交換している、いわゆるトレーダーたちの姿である。
まあ、本来はそういう楽しみ方をするグッズな訳だし、
別にトレーディング行為自体を批判しようなどというつもりは全くない。
ただ、会場前の広場などにシートなどで敷き物をし、
露天商よろしくポスターを何十枚と広げて、
手広くトレーディングしようとしている連中。あれはどうにかならないものなのか。
少し前に、大本営(FC経由ではあるけど)から、公式のお達しとして、
通行の妨げとなるような形での、トレーディング行為への注意書きが配られたが、
全くと言っていいほど遵守されている様子はなく、
先日の代々木の会場前では、特に開終演時間ともなると、
入退場者の人混み、グッズ販売の長蛇の列、そしてトレーダーたちの場所取りが重なり、
歩くどころか、立錐の余地さえないほどの大混雑を引き起こしていた。
何度も言うが、別にトレーディング自体にケチをつけるつもりはない。
ただ、やるなら、もっとスマートに。そして、少なくとも、その場の混雑や混乱を
招かない形をとらねばならないのではないだろうか。


露天商擁護のテキストを読んでいると、「そういうグッズを売るのがそもそも悪い」とか
「徒党を組んで、意味なく奇声を上げたり踊ったりマワったりする人たちよりはマシ」とか
「だったら、トレードのできる場所を設けて欲しい」などといった意見が見られたが、
はっきり言ってしまえば、他人を気にせずヲタ芸を打つ人間も、
無遠慮に通路にシートを広げてトレーディングに興じる人間も、
「公共心に著しく欠ける」という点では本質的に同類だとボクは思うし、
そもそも、コンサートという催しを目当てに会場に来ている者が、
トレーディングの特別な場所を欲したり、コンサートの運営の妨げになるような
場所取りを平気な顔で行っているという心理が、全く以って理解できない。
それなら、音楽を身体で楽しんで表現しようという部分で、
コンサートというイベントの本質を、ある意味ズバリ突いているヲタ芸の方が、
まだ可愛げがあるというものである。
なにより、一度注意されている(しかも主催者にである)のならば、
真摯にその忠告を受け止め、改善するのがファンの正しいあり方というものなのではないだろうか。


何回も言う。邪魔にならない場所で、迷惑のかからない形で行われる
トレーディングについては、何の文句もない。
たけど、すし詰めの列が歩き辛そうにしているのを横目で見ながら、
平然と敷いたシートに座り込んで、なんの罪悪感もなくケラケラと談笑しているような、
そんな非常識なトレーディング行為など、消えてなればいいとさえ思う。


例えなくなったところで、ボクにとっては、いっこうに困るものでもないし。