257「『あま夏』〜新垣里沙2nd写真集」



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なんというか、悪い癖というか。
あるいは、ハロプロのメンバーを、ある時は家族のように、ある時は恋人のように、
言ってみれば身内的に日々見ている事の、それは弊害とも言えるのかも知れないけど、
彼女たちの中で確実に起こっている「変化」に疎いフシが個人的にある。


最近はずいぶん慣れてきたけど、ちょっと前の辻ちゃんなんかは、その最たる例で、
ボクの中では、どうしても、サティのベンチで七段アイスを頬張り、
携帯をカレーうどんの中に落とし、そして、なにかあるとすぐに
ウンコウンコとはしゃぎ回っている、あの辻希美のイメージが払拭し切れずにいた。
だから、ガッタスゴレイロを格好良くこなしている姿とか、
恋愛の話に、ちょっと「女」の風情で、必死に食いついていくところなんていうのを見ると、
ちょっと筆舌には尽くしがたいほどの衝撃があったりしたものだった。
自分としては、日々ハロプロに注視しているという、
変な自信みたいなものが、少なからずあったりもするのだけど、
注視しすぎるが故に、逆に変化に気づきにくいのか、
ある日突然、そういう辻ちゃんの姿とかを目の当たりにして、
愕然としてしまったりするのである。


ここ最近で言えば、ガキさんである。


昨年の春のツアーで、メインボーカルをとる彼女の姿に、
「彼女がこんなにも…」と、思わず驚嘆してしまったという事については、
たぶんコラムにも書いたと思う。
ぶっちゃけて言えば、ボクの中で彼女のイメージは、
やはり加入した頃のまま止まっていた感じだった。
解りやすく言えば、まだ前髪がなかった時代のガキさんとでも言おうか。
他の5期に比べると少し地味で、良くも悪くも新メンバーの最年少、
みたいな、極めて凡庸なイメージしか持ちえなかった時代で、
ボクのガキさんに対する印象への思考はピタリと止まっていたような気がする。
だが、ちょっとボクの知らない間に(ちゃんと見てたつもりなんだが)、
ガキさんはさまざまな部分でぐんぐん成長を続け、
伸びやかにソロパートを歌い上げる様をこの目で見た時には、
「オレはまたやっちまってるなぁ…」と、自分の不甲斐なさを嘆くより他になかったものである。
そして、今回の写真集『あま夏』を見るに至っては、
もう、なんか頭がおかしくなってしまいそうになった。


あまりに眩しいビキニ姿。ハマリ過ぎの感がある、おさげ髪の制服姿。
そして時折り見せる、少し物憂げな表情は、ゾクっとするほどにノーブルで、
「女と少女の狭間」の時期に誰しもが垣間見せる女の子独特の美しさを、
当り前の話ではあるけれど、ガキさんはしっかりとその全身に蓄え、
そして、それを惜しげもなくボクたちの前に披露してくれている。
なんかもう、ガキさんとか呼ぶのもちょっと憚られるような、
「れっきとした17歳」然とした、そんな新垣里沙の今の姿がそこにはあって、
ピンチャポーとか、新垣塾とか、そういう雰囲気のガキさんのイメージのまま、
ちょっと軽い気持ちでこの写真集に突入してしまったが最後。
彼女の放つ「美麗光線」が全身を貫き、ボクはしばらく立ち直る事ができなかった。


もちろん、彼女がキレイに大人びていくという事は喜ばしいし、
今後ますますそうなっていく事は、たぶん間違いのないところではあろう。
だけど、そうなったらなったで、少し寂しい感じがしてしまうような気もするのである。
やっぱり、どんな時でもガキさんガキさんでいて欲しいし、
メンバーの中にいると、見ているこちらがなぜかホッとしてしまうような、
ムードメーカー的な存在として、モーニングをこれからも支えて欲しい。
そしてそれはたぶん、無類のモーニング好きである、ガキさんにしかできない事かも知れない。
幸い、テレビなんかでの言動を見る限り、ガキさん的な本質というものは、
あまり変わっていないようにも思えて、なんというか、まだボクたちの知りうるガキさん
居続けてくれているな、という安堵感みたいなものは少しあったりするのだけれど。