255「大切な人」
昨日、圭ちゃんに会ってきた。
狭いハロショの店内の、それも30分足らずのイベント。
面白い企画がある訳でもなく、豪華な景品が多数用意されている訳でもない。
近況報告と告知を交えたトークが淡々と展開され、
数十人の入場者がそれに耳を傾ける。
もはや楽しみは、トークの後の握手会のみというような風情。
(あくまでも風情の話だ。無論、ボクも含めて参加者がそんな事を思っていた訳ではない)
でも、ボクにとっては、とても実のある彼女との再会だった。
一言で言ってしまうと「目が覚めた」という感じ。
別に、ハロプロのファンとしての、今の自分の在り方が、
間違った方を向いているとは思わないし、
「ちゃんとやってます」という自信は常に持っているつもりだった。
だけど、彼女に優しく「ありがとう」と声をかけられた瞬間、
何よりも大切な荷物を、どこかに置き忘れてきてしまっている事に、
ようやくボクは気づいたのである。
保田圭という、ボクにとってかけがえのない存在を、
ずっとずっと変わらずに愛し続ける心。
他の誰に心を奪われようとも、彼女の事を決して忘れないように。
そして、モーニング娘。時代の彼女と共に過ごした忘れえぬ日々を、
常に心に刻みながら、慌しいファン稼業を生きていく…
そんな彼女への想いは、誰に何を言われようとも、
自らの手の中にちゃんと収まっているものだと、ボクは思い込んでいた。
だが、ボクの中で、彼女の存在が確実に「過去のもの」になっている事を、
彼女との再会を通して、ボクはイヤになるほど思い知らされた。
そして、帰りの車の中で、こんな事ではイカン。と、ボクは強く感じたのである。
だから何をしようという訳ではない。
ただ、歌がどうだ演技がどうだと、あれこれ言い訳を作って、
保田圭と真正面から向き合う事を、サボり続けてきた日々を反省し、
今一度、彼女という存在の大きさを再確認して、
ファン生活を、もう一度足元から見つめ直してみようとは思っている。
ともあれ、彼女とまた会えたという事を、今は素直に喜びたい。
そして、改めて感じずにはいられない。
保田圭よ、あなたはやはり素敵である、と。