246「関西風味。」



Hello! Project 2006 Summer〜ワンダフルハーツランド〜 娘。楽宴・現場の声BBS)



アップテンポな60'sというような趣のBerryz工房の新曲では、
聴かせどころのサビのファルセットが、なぜかコテコテの関西弁。
出演者全員、勇ましいハッピ姿で「エアー太鼓」を振る舞いつつ、
「よっしゃ!よっしゃ!」「ええで!ええで!」などと
岸和田のだんじり祭りよろしく客席を煽り立てたかと思えば、
なぜか突然、海原千里・万里の名曲『大阪ラプソディ』が会場に響き渡る。
(ちなみにこの曲をカラオケでよく唄うボクは、周囲がキョトンとするのも構わず、
もちろん熱唱してたのは言うまでもない訳で)
ここまで数多のハローのコンサートを見てきたが、
これほど「関西風味」の強い公演を、ボクはかつて見たことはたぶんない。
まあ、生粋の関西人であるボクとしては、個人的にはとても楽しめたのだけれど、
名古屋や東京の人が見て、これは果たして楽しめるものなのだろうかと、
他人事ながら、少し心配になったりもした。


ただ単に「場が盛り上がる」という一点だけで考えれば、
他の地域の方言に比べ、スチャラカ感に富んでいる関西弁の多用というのは、
確かに有効ではあるには違いないと思う。
そこに、ノリのいい音とキレのいい演者の動きが加われば、
それは、まさにお祭りの様相であり、
人間の本能として、自然と気分は高揚していくものであろうし、
盛り上がれるなら別になんでもヨシ、という寛大なスタンスのファンにとっては、
非常に「美味しい」ステージとなるような気はする。
だが、客席の全員が全員、ノリが良いだけのお祭り騒ぎを望んでいる訳でも当然なく、
中には、ステージ全体のクオリティの高さを求める、ハイソサエティなファンや、
特に今回の公演が持つ「意味」というものを噛み締め、爽やかな感動を味わいたいという、
ロマンティストなファンだって多いはずだ。
そういう人たちが、なんかよく解らん関西弁ばっかりのコンサートを、
果たして、ヨシと素直に受け入られるものなのか。
関西弁の面白さ、ハロプロの音楽との相性の良さ、
そして、不慣れな者が話す関西弁の響きの新鮮さというようなものを、
楽曲を通じて伝えようという、プロデューサーの意図はなんとなく解るのだが、
それにしては、ワンダフルハーツのメンバー中に関西出身もあまりいず、
ほとんどが関西弁に馴染みの薄いメンバーという中で、
関西弁の妙を表現することが本当にできるのかと言えば、
それはいささか微妙な情勢だと言わざるを得ないだろう。
まだ明確な嫌悪表明のようなものは見てはいないものの、
関西以外に住むハロプロファンにとっては、なんとも微妙な感じなのではないだろうか。


そもそも、関西弁というものが、人々に好意的に受け入れられているものなのかという事もある。
別に好意的でなくとも構わないのだが、独特の言語表現に嫌悪感をもたれる事もあるだろうし、
そういう部分が、今回のコンサートの評価に影響を及ぼすのだとすれば、
それはちょっと考えものなのかな…という気もしているのである。