238「GAM」



あやや&ミキティ「GAM」結成(デイリースポーツ)



もはや、スペシャルユニットなどと銘打たれても、
さほどの新鮮さも実はなかったりするのである。


ハロプロ内でのメンバーのシャッフルがまだ物珍しかった頃は、
この組み合わせでどんな化学反応が起こるんだろう…
というようなドキドキ感が絶えずあって、
だからこそ、年に一度のシャッフルユニットは楽しくてしょうがなかった訳だが、
ハロプロ自体が壮大なシャッフルユニットと化してしまった今では、
そんな胸の高揚もめっきり減ってしまった感がある。
すっかり年イチ恒例として定着した、スペシャルユニットの企画もしかり。
最初の『ごまっとう』こそ、毛色の違うソロの三人を束ねるという、
いわば全く未知の世界へのアプローチという事もあって、
こちらのテンションも相当上がったりもしたものだが、
第2弾、第3弾と続いていく中で、そのテンションが持続する事はなかった。
別に、作品そのものや、ユニットの有り方に文句がある訳ではなく、
それなりに「おぉっ」という感嘆の心境にはなったのだが、
なんというか、順列組合せが当たり前になった今となっては、
ユニットとしてどういう毛色になっていくのかという事が、
少しイメージすればある程度読めてしまったりして、
そうなると、当然、新鮮味という部分も薄れてくる。
要は、気持ちの持ちよう一つだという事は解っているつもりなのだが、
ピリリとした刺激を得る事のできないもどかしさを
どうしても感じずにはいられないのである。


だが、今回のGAM結成のトピックには、久しぶりに心躍らされる気分になっている。
単に、ごまっとうの「ご」抜きのユニットと考えれば、
確かに今ひとつテンションも上がってこない。
しかし、これが「ハワイヤ〜ン娘。」「燃えろ!マナー部」の再来であると意識すれば、
その期待感の大きさは、極限に達すると言っても過言ではないだろう。


あややミキティ。私生活でも気持ちの悪いほど仲の良いこの2人は、
世が世なら、ハロプロのソロ部門の、完全無欠のツートップとして君臨しているはずだった。
モーニング娘。を経由せずに、最初からソロとして世に出るというのは、
ハロプロにおいてはかなりのレアケース。その共通因子を持つ二人は、
言うなれば「アンチ・モーニング」たる存在として、
ハロプロの歴史を変えるだけのポテンシャルを秘めていた。
その証明が、バカバカしくも鮮烈だった「ハワイヤ〜ン娘。」であり、
表現力の広さが光った「燃えろ!マナー部」なのである。
だが、因果な事に、藤本美貴モーニング娘。に取り込まれる形となり、
「あやみき」時代はあっけなく終焉を迎えてしまう。
それから数年の月日を経て、あらゆる面で多分に成長を重ねたふたりが、
今回再びタッグを組むというのだから、期待するなという方が無理というものである。


美脚がテーマであるとか、スケバン刑事の主題歌であるとか、
見所ともいうべき部分は数多くあるようだが、
そんな事よりもなによりも、今はただ、
どんなユニットになるのか、早くこの目で見てみたい。
なんて、そんな気持ちに久しぶりにさせられたという事だけで、
このユニットの存在価値は十分に証明されたも同然である。