234「Love is blind」



矢口真里と小栗旬が破局!交際1年半(日刊スポーツ)



それがいつになるかは解らないが、
いつの日か必ずこういう展開になるであろうという事は、実は最初から読めていた。
などと書いたら、自分でもイヤになるほど意地の悪い人間に映るだろうか。
けれど、こんなボクとて、伊達に三十何年も生きてはいないし、
それなりに通り過ぎてきた様々な経験の中には、
「20代前半の甘酸っぱい恋愛」という引き出しももちろん用意されている。
そして、その本質は、燃え上がるのも早ければ、冷めてしまうのも極端に早い、
所詮は「瞬間湯沸かし器」のごとき一過性の熱病にすぎないのだという、
経験に基づく自分なりの結論には、いささかの自負もあるつもりでいたから、
きっと二人の関係も、いつしか必ずクールダウンするに違いないと、
一等最初の段階からそう思っていたのである。
今回のニュースが本当かウソかは知らない。
けれど、もし仮に、誤った情報でないとするならば、
ボクの薄っぺらな経験則は、いみじくも正しかった事になる訳で、
本来ならば、ちょっとは喜ばしい事なのかも知れないが、
その胸中はやっぱり複雑である。


モーニング娘。を「捨て」、自らの幸せの為だけに、
心配するたくさんの人々に背を向けて、一人さっさと走り去って行く。
なぜそんな事を…という部分は解せなかったし、
今でもそのわだかまりが消え去ったという事はない。
しかし、それよりも当時悲しかったのは、後先を考えず、
一瞬の熱い想いを成就させたいがためだけに、
人も物も、大事なものをたくさん失ってしまったという事だった。
それだけの価値のある恋愛なのかも、相手なのかも解らないまま、
ただ「好きだから」という理由だけで、自らの評判までをも貶める。
そして、今こうして、全てが収束して行かんとする時、
もう失ったものは元には戻ってこない。
それを考えると、ただただボクはやり切れない気持ちになってしまうのである。


それが決して叶わぬ事だとは承知の上で、ボクは彼女にモーニングに
戻ってきてもらいたいと、今は真剣にそう思っている。
もちろん、思うところはたくさんある。
だが、彼女が自らの意思で手放してしまった数々の大切な物を、
再びその手の中に取り戻す唯一の方法は、おそらくそれしかあるまい。
そして、そんなあり得ない話が、万に一つ実現してしまったとしても、
笑顔で「おかえり」と言える自信が、今のボクには、ちゃんとある。