226「がんばれ!」



℃-ute(オフイシャルサイト)



ボクがBerryz工房に「転んでいく」までに、実に長い時間、そして紆余曲折を経てきた事は、
このコラムの賢明なる読者諸氏ならばすでにご承知の事だと思う。
記念すべき当コラムの第1回目は親愛なるモーニング娘。の話題であったが、
その次に取り上げたのが誰あろうBerryz工房だった。
とは言え、「興味が無いので書くこともあまりないので、早い段階でテーマに取り上げてみた」
などという、やる気のかけらも感じられないような内容で、
改めて読み返してみると、なんとも情けない気分になってしまう訳だが、
まあそれは、彼女たちが「良い」と感じるようになった今であるから抱く思いであり、
当時のボクにとってのBerryz工房は、やはり異物でしかなかった事に間違いはない。
そして、『スッペシャル ジェネレ〜ション』という佳曲にめぐり合い、
そんな異物たる存在のBerryz工房を、徐々に見直し始め、
そして、ようやく興味の視線で見つめられるようになった2006年の春。
彼女たちのデビューから、実に2年の歳月が流れていた。


そんなボクなのだが、こと℃-uteに関しては、拒否反応や異物感などを全く経由せず、
本当にすんなりとハロプロの一員として、すでに自分の中に受け入れていたりするのである。
もちろん、Berryzを受け入れられる身体になったからこそ、
℃-uteにも抵抗感を抱かなかった、という側面は多分にあるかも知れないが、
なんと言っても、ボクを惹きつけたのは、
℃-uteというグループの持つ、そこはかとない「健気さ」であった。
SSAでの本体コンの前座としてステージに立ち、リーダー格の矢島舞美が、
会場限定販売だというCDのPR、そして、各地を回るイベントの告知をする。
その姿を見て、「がんばれ」という言葉が、自然に口を突いて出た。
たぶん、イベントに出向いたりCDを買うというような事はないが、
成功を心から祈らずにはいられない…などと、そんな気持ちにさせられてしまった。


ふとBerryzの出始めの頃を考えてみるとき、今現在℃-uteに対して抱いているような、
健気さのようなものを感じる事は、ほとんどなかったような気がするのである。
おそらく、そこに横たわっていたのは、キッズから選抜された精鋭部隊であるという意識。
もっと平たく言えば「勝ち組」のユニットであるという色眼鏡ではなかったかと思う。
無論、Berryzだって努力もしてきたし、デビューの頃はいたいけで、
それこそ健気な雰囲気であったかも知れない。
だが、それ以上に、シングルを立て続けに何枚もリリースし、アルバムもすぐに出て、
デビューして1年も経たないうちに、ツアーにまで出かけるというような
派手さの方が目立ったのは事実で、キッズの中のエリートたちであるという
思い込みに苛まれ、そのイメージを払拭する事がなかなかできず、
結果、Berryzを軽視し続ける事になってしまった。
その点℃-uteは、ものすごく解りやすく健気で、儚げで、
そしてボクの「父性本能」をこれでもかとばかりに刺激してくれたので、
受け入れとしてははかなり容易だった。
もちろん、Berryzと同じだけのキャリアをしっかりと持っている彼女たち故、
楽曲の表現力やダンスのキレも、Berryzと遜色はないし、
むしろ、新しいメンバーを擁している事もあり、
新鮮さという点では、Berryzを一歩リードしているという見方もできる。


いずれにせよ、キッズから派生した二つのユニットが、新時代のハロプロを作り上げていく、
という事だけは間違いなさそうであり、あまり彼女たちを見くびっていると、
後でとんでもない事になりそうな気がしてならぬ今日この頃。
その、とんでもない事に遭遇する前に、なんとか二つのユニットを素直に受け入れる事ができた
ボクのハロプロヲタ人生。まずは安泰と言って差し支えはなかろう。