216「『一切合切 あなたにあ・げ・る』〜美勇伝6thシングル」



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巷の評判どおり、ボクの感想も「まんま三人祭やなぁ」であった訳だが、
ライブで見たパフォーマンスで判断する限りは、単なる焼き直しとか、
苦し紛れの思いつきの産物であるとかいう感じはなく、
むしろ、美勇伝の新境地を見せたなという印象だった。
というか、あの楽曲をBerryz℃-uteでなく、美勇伝にやらせた事に
実はとても大きな意味があるのではないかと、ボクはそんな風に思ったのである。


言い方は悪いかも知れないが、この曲を美勇伝が表現するのは、
いろいろな意味において、限界ギリギリの線だと思うのだ。
もちろん、年齢を超えた若さと、卓越した表現力がある事は理解しているが、
時間が経ち、今や10代のメンバーが岡田のみという
「大人テイスト」のユニットが、いわば、三人祭の雰囲気に挑むというのだから、
見た目的にも、そして楽曲の表現法においても、
ある程度の「キツさ」を露呈するのではないかと思っていた。
ボク個人としては、当時の本物の三人祭ですら、
キツいと感じていたクチなので、
石川や三好が水着のような衣装でウッフンアッハンする姿を考えて見た時、
「大丈夫なのかなあ」の思いは否めなかった。


結果から言うと、ボクのその考えは根本から間違っていた。
少々ムリ目の路線も、美勇伝は実力をフルに発揮して見事に表現しきっていた。
そして何よりも、見ながら全くキツさを感じさせなかったのがすごかった。
石川はその引き出しの多さをフルに発揮して、
自分なりの「ブリっ子像」を組み立てていたし、
三好は飄々としながらも、石川の牽引にしっかりとついて回って結果を出した。
岡田は年齢的に地のままで問題なく機能しているし、
さすが美勇伝と唸らされる、まさに珠玉の一曲となっている。
そして願わくば、ステージで一度この楽曲を体感していただきたい。
きっと、CDやPVとは全く異なる趣きを味わえる事だろうと思う。


「まんま三人祭やなぁ…でもなんかいい感じやな」
そう感じられれば、聴き手としては満点なのではなかろうかと思ったりもする。