198「まるごと『レインボー7』/Part7」



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#10 『さよなら SEE YOU AGAIN アディオス BYE BYE チャッチャ!』



    しんこっちょう ―こつちやう 【真骨頂】
       そのものの本来の姿。真面目(しんめんもく)。
       「―を発揮する」
                 (大辞林 第二版 (三省堂)より)



そう。これなのである。
これこそがモーニング娘。の真骨頂。


時にはクール。時にはシック。そして凄まじい程のキューティ&プリティ。
全曲の根底にあるメロディアスな佇まい…
ここまでたっぷりと堪能してきた『レインボー7』の楽曲世界を巡る旅も
いよいよ大詰めに差し掛かり、ついに「THE・モーニング娘。」とも言うべき作品が炸裂する。


イントロが流れた瞬間、
ハンドルにドクロのマークの付いた10人乗りの長い自転車を、
メンバー全員で必死に漕いでいる姿。
あるいは、関西弁を器用に使い、こじゃれた漫談をする鼻高の外人。
なんてのがパッと思い浮かんだりしてしまうのはご愛嬌。
というか、こういった「どっかで聴いたことあんなあ」というような楽曲を、
モーニング娘。流に料理し、全く新しいテイストとして我々に提示するというのは、
彼女たちの最も得意とする手法にして、ある種、常套手段でもある。
そしてもう一つ。そこはかとなく醸し出される、なんとも言えない「おバカ」な空気。
これが本質なのか、あるいは、このおバカ加減も演じられているものなのか。
そのボーダーさえ解らぬほど、彼女たちは実に気持ちよくバカをやってくれる。
特に最後のセリフの連打。なんて事のない一言ばかりなのに、実にバカである。
こんなのよく笑わずにレコーディングに臨めたものだと、妙な感心をしたりして。


いずれにせよ、ここまでアルバムの中に撒き散らしてきた
「唄えるオンナたち」という伏線。それがあるからこそ、
この楽曲との落差が最高に気持ちいいのである。