193「まるごと『レインボー7』/Part2」



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#3 『青空がいつまでも続くような未来であれ!


抜けるような青空の下、一緒にいるだけでテンションの上がる
楽しい仲間たちと、最高にハッピーな時間を共有する。
世の中、さまざまな贅沢は数あれど、これほど精神的に満たされる時間の使い方はない。
もうなんかよく解んないけど、いろんな事がものすごく楽しくて面白くて、
知らず知らずのうちに、顔がニヤけて来ちゃうような、そんな感覚。
真面目な友達付き合いに乏しいボクでさえ、そういう経験は何度もしてきたのだから、
何不自由なく、たくさんの友達に恵まれた者ならば、
必ず一度はそんな心持ちになった事があるに違いない。
そんな、誰もが持っている、コワくなってしまうくらいに楽しい一瞬を切り取ったのが、
この『青空がいつまでも続くような未来であれ!』である。


誤解を恐れずに言えば、このどこまでも爽やかに澄みきった楽曲は、
今のモーニング娘。にしか唄えないとボクは思うのだ。
似たような曲調の楽曲はこれまでもあっただろうし、その時々のモーニング娘。が、
それらをパーフェクトに表現してきた歴史は否定しない。
しかし、この曲を、他の時代のモーニング娘。が唄ったりしたら…
などとと思いを巡らせてみたとき、果たして、どれも今ひとつしっくりとこなかった。
つまりそれは、吉澤ひとみが引っ張り、久住小春が後ろからグイと押す、
現体制のモーニング娘。にしか醸し出せない躍動感だったり、爽快感だったり、
そういうものが、この楽曲そのものの「肝」になっているという事の証明だと言えるだろう。
とは言え、前作『愛の第6感』から、そんなに劇的にメンバーの変動があったという訳でもないし、
現メンそれぞれのキャラクターも、新加入した久住を除いては、ほとんど変わってはいない。
なのに、あの頃のモーニング娘。では表現し得ない世界を、今回のアルバムでは、
この楽曲も含めた随所で、見事に描ききっている。
それは、単に楽曲の質が変わっただけという事ではなく、
そこにあるのは、類い稀な表現力の柔軟さ。そして、グループ自体が持つ懐の深さなのだろう。


例え何があっても、どこまでも澄み切った青空のように、
明るくて見通しの良い未来をずっとずっと生き続けたい…


青空がいつまでも続くような未来であれ!』というフレーズに込められたそんな思い。
それは、アイドルという、華やかでありながらも儚い存在として、
日々健気に、そしてひたむきに頑張り続ける彼女たち流の「底抜けに明るい決意表明」であり、
そんなメッセージを、この楽曲からしっかりと感じ取ることができてこそ、
真のモーニング娘。のファンであると言えるのである。