189「四代目」



あやや 4代目スケバン刑事襲名Yahoo!ニュース/ソース:デイリースポーツ)



松浦亜弥スケバン刑事をやる。


事の仔細などなに一つ解らず、ただそんなフレーズが耳に入っただけなのに、
なぜか今、ものすごくテンションが上がっている自分がいる。
松浦亜弥にはもう歌だけでいいなんてあれほど思っていたのに、
セーラー服に身を包み、赤いヨーヨーを片手に悪人たちを蹴散らしている
彼女の姿に思いを馳せてみる時、身体の奥底から熱い物がふつふつと込み上げ、
気がつけば、まだ遠い先にある映画の公開が、ただ待ち遠しくて仕方がない。
勝手なヲタと蔑むなかれ。スケバン刑事というドラマは、
ボキがアイドルのファンを始めた当時に一世を風靡した、個人的に思い出深い作品であり、
アイドルドラマの決定版かつ最高峰だったこの名作は、同時にトップアイドルの登竜門だった。
その作品に、今愛してやまないハロプロの、しかもソロ軍団完全無欠のトップが、
満を持して登板と聞かされれば、これはもうテンションを上げるなという方が無理な話で、
四代目麻宮サキがいかなる活劇を展開するのか、
あれこれ夢想する愉しみほど贅沢なものはないと、今は実感の日々なのである。
いささか古い話でもあるので、リアルタイムに体感していない諸氏にも簡単に
スケバン刑事という作品の持つ背景を説明しておきたい。


1985年、和田慎二原作の人気少女マンガ『スケバン刑事』が、
当時のトップアイドル・斉藤由貴でドラマ化された。
警察関連の謎の組織のトップである暗闇指令により、各地の学園に蔓延る
様々な悪事を暴き処刑する「学生刑事」という命を受けた、元スケバン・麻宮サキの物語。
内部に桜の大門が刻印された特製のヨーヨーを武器に
「何の因果か落ちぶれて、今じゃマッポの手先」というちょっと時代がかった、
そしてそれが逆に新鮮にさえ感じる決め科白を放つ麻宮サキは、当時最高に格好良かったものである。
次クールには、南野陽子主演で第2作がスタートするのだが、
?と銘打たれていたため、てっきりキャストだけを変えた続編なのかと思いきや、
「命を帯びた麻宮サキ」という設定だけはそのままに、原作とは少し違う作品が展開されることになった。
物心つく頃からなぜか鉄仮面を被され、土佐の山奥で母一人子一人育てられた五代陽子。
麻宮サキの後継を探す謎の組織により見出され、二代目麻宮サキとして、
全国の学生たちを束ね、扇動しようと企む『青狼会』を操る影の総統、
そして鉄仮面の秘密を握る謎の老人・信楽翁との壮絶な戦いに挑むという、
スケールとしては1作目を軽く凌駕する、アイドルドラマらしからぬボリュームのあるストーリー。
そして、南野陽子が操る、耳慣れない土佐弁が大きな話題を呼んだ。
また、孤独だった麻宮サキに、二人の「同志」が加わり、ストーリーに厚みが増したのも2作目の特徴だ。
さらに1年後、三たび登場したスケバン刑事だったが、
第3作のサブタイトルは、なんと「少女忍法帖伝奇」。
九州に伝わる忍びの一派・風間一族の血を引く風間唯が、三代目麻宮サキとして、
結花と由真、二人の姉と共に、三姉妹で巨大な悪と陰謀に立ち向かっていく…
と、もやは原作の影も形もない、全く別物の作品となった訳だが、
早いストーリー展開と、新人・浅香唯のみずみずしい演技が人気を呼び、
風間三姉妹として、CDリリースや単独イベントを行うなど、スケバン刑事という作品は、
この第3作をもって、一つのムーヴメントへと昇華したと言ってもいいだろう。
そんなムーヴメントの進化系に、今回松浦亜弥が挑む。
こうやって過去のストーリーをさらっているだけでも、今作に対するワクワク感は増す一方だ。


松浦亜弥麻宮サキとは。どのようなシチュエーションでヨーヨーを手にするのか。
彼女を待ち受ける敵とは。共演者となる美勇伝の3人はサキの同志なのか。あるいは…
そしてなにより、どのような世界観の作品に仕上がるのか…
公開は今秋。とりあえず、公開初日の映画館行きは今のこの時点をもって、早くも確定である。