188「ごっちん倒れる!」



ゴマキ 原因不明腹痛でダウンYahoo!ニュース/ソース:デイリースポーツ)



芸能人の甲斐性とは何か。それはもちろん「売れる」ことである。


当たり前だが、芸能人を生業としている者が「売れたくない」とはあまり言わない。
売れない時期には「絶対に売れたい」と強く思い、
運良く売れれば、このまま売れっ子で居続けたいと願う。
野心とかではなく、華やかさに憧れを抱いて足を踏み入れた芸能界。
日陰のまま終るよりは、登れるところまで登りつめ、
栄華を極めたいという欲求が芽生えるのは至極当然。その為には、肉体や精神のいろいろな部分に、
例え歪みが生じたとしても、少しばかりの無理は押して黙々と努力を積み重ねていく。
そして、努力実って売れっ子と呼ばれる存在になったとしても、
今度はその位置から下がっていかないように、やはりさらなる努力を続けなければならない。
気がつけば、心も身体も悲鳴をあげる寸前まで疲弊し、運悪く病に倒れてしまう芸能人は少なくない。
だが、少し目先を変えてみれば、芸能人が忙しさが原因で病気になるという事は、
あるいは、冒頭書いた芸能人の甲斐性の最たるものなのではないかとも思えたりするのだ。
あまりの多忙に身体を休めるヒマがない。ストレスを発散できる場所や時間がない。
それは、芸能人として売れた経験のある者でなければ理解できない機微であり、
病魔に冒されるという辛く苦しい現実ではあるものの、芸能人の病気療養による休養というのは、
それ自体が「箔」であり「ステータス」なのではなかろうかとボキは思う。


後藤真希の急病は、確かにショックな出来事には違いない。
仕事に穴が開くとか、代役を立てる事態になるという事は基本ネガティヴな事だし、
鳴り物入りだったレビューも欠席を余儀なくされた。
代役にはメロンの柴田あゆみが抜擢される事になったが、大役が回ってきたとは言っても、
それを手放しで喜べる心境ではないのは、柴田本人も、そしてそのファンも同じ事だろうと思う。
しかし、別に後藤真希に非があって病気にかかった訳ではないし、
ドラマの収録や歌の仕事、そしてレビューの稽古と多忙を極めた末の、
言ってみれば一流芸能人であるが故のそれは「不可抗力」であり、
だから、病気自体に心配はしても、ごっちんにも芸能人としての箔がビシッとついたと考えれば、
決して暗いベクトルだけでなく、もう少し前向きに
病気の事実を捉えることができるのではないかと思ったりもしている。


ふと、風邪で寝込んでいたため、あか組4の振り付けに遅れを取った
14歳の後藤真希の事を思い出した。
確かあの時も、映画の撮影やらシャッフルユニットやら新メンバー加入やらなんやらで、
彼女は訳の解らない忙しさに追われていた。
でも、あの時だって、風邪が治ればいつものごっちんに戻り、
「ふははは」なんて笑いながらダンスのビデオと格闘していたし、
おそらく精神と肉体がその頃以上に成長している今の彼女だったら、
2週間の休養を糧に、その反動とも言える究極の元気さを、嫌でも見せつけてくれるはずである。


その瞬間がやってくるまで、今はもう少しごっちんを休ませておいてあげたいなと
ボキはそんな風に思っている。