184「『今にきっと…In My LIFE』〜後藤真希14thシングル」



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今年の後藤真希は、やる気だ。
ニューシングル『今にきっと…In My LIFE』を聴いているうちに、なんとなくそう感じたのである。


ちょっと前にも書いたが、大河ドラマという「足かせ」のせいで、
なんとなく本来の後藤真希ではなかったような気がする昨年。
もちろん、露出の濃度だったり、リリースのペースなどという表層的な面は、
例年とさほど変わりはなかった訳だが、「後藤真希後藤真希であったか」という事を考えてみた時、
やはり、いつもの年とは違う雰囲気だった気がボキにはするのだ。
まあ、あくまでそれは感覚的なものだし、底の浅さ極まりない考察だと、
真のごっちんヲタにせせら笑われてしまうかも知れない。
しかし、後藤真希がこれまでに放ってきたパワーと輝きを考えたとき、
やはり、背負っている荷物の重さが、後藤真希という存在に少し影を落としていたかな、
などと考えてしまう。そして、今年はその荷物からすっきりと開放され、
またいつも通りの、いや、いつもに増してのパワフル後藤真希が帰ってくる。
その確かな胎動とも言うべきが、今回のシングルなのではないだろうか。


冒頭書いたように、曲を聴いた瞬間に「やる気」というキーワードが頭をよぎったのだけれど、
同時に、「そういや、『やる気!IT'S EASY』なんて曲あったなー」とふと思って、
そうすると、ヘッドフォンから流れてくる曲と『やる気〜』のメロディが妙にシンクロしてしまい、
全く異なる2つの楽曲に、どこかしら似た雰囲気を抱いたりして、
そしてなぜか、記憶は2002年へと遡っていくのだった。
思えば、モーニング娘。のメンバー時代にリリースした最後のソロシングルが『やる気〜』だった訳で、
その曲と今回のニューシングルが、微少とは言え、似た雰囲気を漂わせているという事は、
あるいは、後藤真希のこれからの何かを暗示しているのかも知れないな…などと、
曲が終ってからも尚、そんな事を考え続けていたのである。
『やる気〜』のリリースされた時。それは、後藤真希が最もがんばっていた時代ではなかったか。
今がんばっていない、という意味ではなく、ソロとして本格的に舟を漕ぎ出そうする、
まさに正念場がその時期であり、そんな彼女の推進力となったのが『やる気〜』という曲だった。
その後の彼女の飛躍はご存知の通りであろう。
今回のシングルも、後藤真希2006年のスタートダッシュの為の大きな大きな推進力となるだろうし、
あの頃のように、推進力をしっかりと受けた後藤真希は、我々の想像の遥か上を行く、
とてつもない存在になっていってしまう事は、十分にありえる話だと言えよう。


ただアップテンポでノリがいいだけの曲ではない。
楽曲の持つポテンシャルを、聴き手がどれだけ感じとる事ができるのか。
曲の中にに込められた、後藤真希のやる気をしっかと感じとる事ができた時。
きっとまた我々は、後藤真希のトリコになっていくのである。