180「アヤカノキセキ」
何か一つでも他人より秀でてたものを持っているという事は、
生きていく上において相当大きな武器となる。
別にそれがどういう類の才能であっても構わない。
とにかく、それは他人には無く、自分だけが持っている特技なのだと自負さえできれば、
いつかはその武器をもって成り上がれる時が必ず訪れる。
逆に言うと、どれだけ平均点や偏差値が高かったとしても、輝ける物がなければ、
溢れる人の群れの中に埋没し、人生もそこそこで終ってしまうものだという事である。
別に平均点内の生き方を否定したりはしないが、ありふれた日常に埋もれていくより、
突出した個性で他人とは違う生き方をする方が、人として有意義だというような気もしてしまうのだ。
芸能界に目を転じてみると、一般社会よりもその傾向は顕著だと言える。
歌やダンスや演技などは、その巧拙はともかくとしても、ある意味こなせて当たり前の世界。
タレントとしての行く末の鍵を握るのは、そこから先のプラスアルファの部分なのである。
楽器ができたり、ファッションモデルとして通用するようなプロポーションを持っていたり。
なんでもいいから人とは違う部分を持ちえているかどうか。
タレントとしての浮沈は、そういうところがポイントになると言っても決して過言ではない。
そういう意味において、ネイティヴな英語を操るアヤカが輝ける場所や機会が、
もっともっとあっていいと思うのだが、現状はなかなか厳しい状況下にある。
あれだけのスタイルと美貌があり、ダンスにも歌にも長けている。そして、ネイティヴスピーカー。
ちょっと考えただけでも、彼女の持つポテンシャルは相当のものだし、
彼女がタレントとして進むべき方向性の選択肢は数限りない。
その英語力を活かし、少し本格的に経験を踏めば、
例えばFMのDJなどをやらせても様になりそうだし、
歌とダンスの実力を、その色っぽい風貌と絡ませて、
マドンナのようなセックスシンボル的アーティストに仕立てたりすれば、絶対にハマってくるはずである。
というか、こんな素人考えでも、あれこれ彼女を引き立たせる展開は思い浮かぶというのに、
実際の作り手たちは、なぜ彼女を本気で売ろうとはしないのだろうか。
決して他のハロメンに比べて実力不足だとは思わないし、
それどころか、キャリアに裏打ちされた確かな力を彼女は持っている。
今の「飼い殺し」のような状況が得策であるとは絶対に言えないし、
彼女のフィールドを広げてやるという事は、
すなわち、ハロプロの視野がさらに広くなる事と同義であり、
斜陽と言われて久しいハロプロにとっても、絶対に損な話ではないと思うのだが。
とりあえず2006年は、彼女に羽ばたいてもらいたい。
というか、少しの推進力さえあれば、確実に大物になる素地をアヤカは持っている。
ココナッツ娘。という、ある種の「呪縛」から、本当の意味で開放されたその時。
もしかすると、我々は奇跡を目の当たりにするかも知れない。
なんて、ついそんな気がしてしまったりするのである。