174「Hello! Project 2006 Winter」



ワンダフルハーツ&全員集GO!ツアースケジュール
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ハロー!プロジェクトは、何事もなく、2006年を迎えたようである。


妙な話かも知れないが、なんかこう、拍子抜けというか、
「え、本当に何もナシで許してもらえるんすか?」
みたいな、そんな気分なのである。
強迫観念ここに極まれりといったところだが、
よく考えてみれば、そんな病気じみた強迫観念に縛られ、胃の痛くなるような思いで
アイドルタレントと接している事自体がそもそも異常な訳で、
至って平凡に、ただ楽しいだけの正月ハローを迎え、
今なぜか、こんなにも安堵感を抱いてしまう自分を省みる時、
いかにおかしな世界を生きているかという事を、改めて実感させられてしまったりするのである。


今回のハローのコンサート。もはやセットリストがどうとか、
客がどうとかというのは、そんなのどうでもいい事なんじゃなかろうかと、
そんな風に思ったりするのはいささか乱暴だろうか。
でも、こうやって「誰も辞める事のない」ハロコンを迎えられるいう事実は、
何があっても驚けないサバイバー精神を要求される今のハロプロの事を思えば、
それだけで、十分サプライズに値すると言えなくもないような気もする。
もちろん油断はできない。なにせ、昨日までメンバーだった者が、
いや、つい数時間前まで普通にステージに立っていた者ですら、
何のメッセージもなく突然グループを辞めていた、という事が実際に何度も起こる。
ハロプロとはそんなクレージーな世界ゆえ、常に危機意識は必要だ。
だが、初日のステージで、何も重大発表がなされなかったという久方ぶりのグッドニュース。
その夢見心地に、せめて今のこの時だけくらいは浸っていてもいいのではないか。
というか浸らせてくれよ山粼さん。本心からそんな心持ちなのだ。


しかしながら、そんな呑気な事を言っていられるのも、
ボキが卒業発表を受け入れる、本当の意味での「当事者」ではないからかも知れない。
「明日道重さんがモーニングを卒業しますイェイ」などと言われたりすれば、
ボキだってこんなに悠長に構えてもいられないだろう。
まあ、今のところそれは「絶対無い」という確信を抱いているし、
だからこそ、以前の戦々恐々ぶりが嘘のように、極めてフラットな精神状態でいられるのだが。
もちろん、それ以外のメンバーが卒業していく事については、
モーニングのファン、ハローのファンとして、わが事のようにショックではあるが、
その衝撃の深さは、実際にそのメンバーを愛している者のそれには、当たり前だが到底及ばない。
まして、様々な状況証拠から、卒業濃厚のシグナルが放たれているメンバーのファンならば尚の事。
いつ「その日」がやってくるのかを常に意識しながら、
そして、辛い心の準備をしながら、ファンとしての生を全うせねばならない。
かつてボキ自身も、好きなメンバーの卒業を経験した。その時の精神状態を思い返せば、
今現在、そういう境遇のファンにしてみれば、
とてもじゃないが「正月めでたい」などと、諸手を挙げて寿ぐ事などできないだろう。
因果と言おうか何と言おうか。自分で決めた道とは言え、ファンが身を置く環境は極めて苛酷。
ファンに優しくないのに、ファンはそれでもたくさん後を付いてくる。
やっぱりハロプロは、かなりおかしな世界である。


果たして残りの新春ハロー、何事もなく大団円を迎えるのか。
あるいは、恒例のサプライズがやっぱり起こってしまうのか。
正月早々、ため息の聞こえる展開だけは御免蒙りたいところではあるのだが。