173「ファンとして、人間として。」





アイドルのファンというものは、何もかも全てに余裕がないと絶対にやっていけない。


例えば時間。例えば金銭。例えば気持ち。


仮にどれか一つだけでも余裕がない状況なのだとしたら、とても自らの精神と身体を、
アイドルへの応援に注ぎ込む事などはまず不可能だと言っていい。
もちろんファンとしての「濃度」がどの程度かにもよる。
しかし、アイドルたる存在を日々応援しようとする中で、その事を実感していく為には、
やはり一定の成果というものが必要だし、その成果を獲得するには、
ただ漫然と「○○ちゃん大好き」などと心で呟いているだけではいけない。
購買やライブへの参加。あるいは、思いの丈を何かの形で表現する行動など、
ファンとしてこれだけの事をしたという証を手にし、充足感を抱いて初めて
「ああアイドルファンをやっている」という心からの実感を手にすることができるのでないだろうか。


なんでいきなりこんな事を書いているのかと言えば、実は、これまでの人生の中でも
全く未経験と言っていい、超多忙な年末年始をボキは送っているからなのである。
というか、一昨年までは、ハロプロに心を注ぐ事だけがアイデンティティのような生活だったので、
年末に誰とどうこうなんていう事などは全くなく、年越しはネットを介して、
ヲタ仲間とテレビを見ながらやいのやいの…なんていうそんな調子だった。
で、昨年ヲタ生活を大幅に改善した結果として、いわゆる非ヲタの知人との交流が増え、
必然的にファンとしての活動以外のあれやこれやに割く時間が急激に増加し、
そんな2005年の集大成として、この多忙な年末年始を迎えているという訳なのである。
紅白歌合戦も年が明けてからビデオで見たほどだし、
(まあハロプロ関連については、内容的にも特に語るべき事はないのでコラムには取り上げなかったけれど)
出演番組自体あまりないという事はあるにせよ、メディアチェックもほとんどできていない。
というか、やっている時間は全くと言っていいほどになかった。
と、そんなここ数日を振り返った時に、改めて冒頭書いたような事を思ってしまったりしたのである。


ただ、これしきの事で、このままヲタとして終っていく訳にはいかない。


昨年の秋。どん底だったボキを救ってくれたのは彼女たちの優しい笑顔と強い気持ちだった。
いろいろあっても、やっぱり彼女たちを傍らに過ごす日々だけが、
今のボキの「全て」なのだと悟ったあの日の思いを、時間の流れの早さを言い訳に、
忘れかけようとしている自分が今確かにいて、多忙の合間に少しだけ空いた時間、
そんな事ではいけないと、改めてヲタとしての自分に鞭を打ち続ける決心をしたのである。


理想は「両方100」。無理な事は解っている。
それでも、とりあえずそこを目標に定めて、あとは状況に応じてどちらに重きを置くのか。
いや、無論重きを置くべきは、ハロプロファンとしての自分。


だってボキには、それしかないのだから。