132「名曲再探訪。」



ALL FOR ONE & ONE FOR ALL !amazon.com/購入もできます)



今更ながら『ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!』なのである。


この前NHK-BSでオンエアされたハローのコンサート。
オーラスを飾ったこの曲のステージを見ながら、突如。本当に突如として
ギューンと胸がいっぱいになってしまった。
見終わった後に残った、えも言われぬ満足感。
疲れきった日常の中、ここのところ、とんとご無沙汰だった爽快感。
そしてなにより「ああハロプロが好きで本当に良かった」と心の底から思わせてくれる素晴らしい楽曲であると、
今になって、改めて何度も何度も聴き直している。
でもよく考えてみれば、この夏ボキは1公演だけとは言え、ちゃんとハローのコンサートをこの目で見ているし、
『ALL FOR ONE〜』についても当然、そのアクトはしっかりと体感しているはずなのだ。
しかしその時には、いい曲であるという認識はあっても、
今みたく心を揺さぶられるほどの感動を覚えるような感じではなかったと思う。
一体なぜ、今になってこの曲がボキの心の琴線を大きく揺さぶるのだろうか。


実はこの曲が、リリース時のメンバーが全員揃った形で、客前で披露された事は、
2004年に愛知で行われたスポーツフェスティバルでのライブ、たった一度きりしかない。
まずなっちが躓き、そしてようやくなっちが戻ってきたと思ったら、
今度は矢口がウソみたいな形でこの曲から姿を消した。
そして、矢口が唄うこの曲をこの先聴けるのか、それすら判然としない状況の下に今はある。
ハロプロオールスターズ」というユニット名に、少しの寂しさや虚しさが見え隠れしている今、
それでも、この曲を歌い踊る彼女たちは、どこまでも明るく、そして希望に満ち溢れている。
本当は動揺もあっただろうし、さまざまな苦悩もなかった訳ではないはずなのに、
彼女たちは、何事もなかったかのように、実に伸びやかにこの曲に取り組むのだ。
そして曲の最後。天からの恵みをいっぱいに掴み取るがごとく、
安らかな表情で、静かに両手を差し出す彼女たちの姿に、何があってもみんながいるから安心なのだという、
お互いへの強固な信頼感。もっと平たく言えば、ハロプロの「絆」を見る事ができる。
それはまさに文字通りのALL FOR ONE & ONE FOR ALL。
「みんなは一人のために。一人はみんなのために」である。
その絆の素晴らしさに、今更ながら気づかされた。
いや。というよりは、絆というものを拠り所にすれば、
自分の持つ100の力の、まだそれ以上が出せるのだという事をボキ実感したのだ。
そして、あのBSでオンエアされた代々木のコンサートの『ALL FOR ONE〜』は、
まさに、その100以上の力が注入された「至高」のステージだったのである。
それは琴線も揺さぶられるというものである。


今はキャプテン公演でこの曲を聴く事ができるので、そちらか、
あるいはCDがあるならば騙されたと思って、まあもう一度聴き返してみる事をおすすめしたい。
きっとハロプロの萌えや楽しさだけではない、本当の「良さ」を再認識できると思う。