124「『DAYS』〜亀井絵里2nd写真集」



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亀井絵里は、二つの顔を持っている。


田中れいながヤンキャラで、道重さゆみが天然で、残る一人の亀井絵里が一番普通っぽい…
というような認識で間違いないとボキは信じてやまなかったのである。
実際のところ、加入してからしばらくは、同期の二人の強い個性の陰に隠れるように、
こっそりとおもしろい事をやったり言ったりする姿をチラリチラリと見せているだけで、
自分から率先してボケたり壊したりなんていう存在からは程遠いのかな、
などという印象を抱いていたものだった。
もちろん、今の亀井絵里を見ればそれがまったくの見当違いだった事は自白の明な訳だが、
彼女が道重を越える天然かつアホキャラだという事が判明した事で、
藤本美貴を含めた6期メンバーが、あるいはあの4期をも凌駕する、
「究極の個性派集団」であるという事を広く知らしめる結果になったのだから世の中面白い。


そんな彼女の2冊目となるソロ写真集『DAYS』。
これが案外と普通っぽい仕上がりとなっていて、どこか不思議な気持ちにさせられるのである。
別に普通っぽいと言っても没個性という意味ではない。
いや、言葉の意味としてはそういう事なのかも知れないが、
なんというか、テレビで見ている亀井絵里が派手派手しい「原色」だとするならば、
写真集の彼女は、至ってシンプルな色使い。「中間色」とでも言おうか。
鮮烈で個性的では決してない。なのに、そのシンプルさが見る者の心に深く響いてくるのである。
亀井絵里は二つの顔を持つと冒頭に書いた真意は、実はそこにある。


原色の彼女と中間色の彼女。普通は自分の中で意識的にどちらかのスイッチをオンオフし、
タレントとしての自らを自己演出するものだが、
彼女にはおそらく、芸能人特有のそういうスイッチが存在しない。
もっと平たく言えばタレントとしての研ぎ澄まされた計算ができないタイプなのだと思う。
直接は関係ないが、以前、コンサ帰りの新幹線の中でうっかり口を滑らせてしまい
大変な事になっちゃった…たなんて事があったりしたが、
あれも芸能人としての計算が苦手であるという事の表れだろうと思う。
要は正直だという事なのだが、その正直さは、
新幹線事件のように、時としてウィークポイントになる事がある。
しかし、その正直さが正のパワーとして発揮されれば、
クルーンもびっくりの170キロストレート級魅力が、見る者の心に直接突き刺さる事になるのだ。
プロアイドルとしての振る舞いに気をつけつつ、その正直さを上手くコントロールできた暁には、
超個性派集団6期メンバーの中でも、とびきりの存在となりうる事だって突飛な想像などでは決してない。
そして今、亀井絵里はその片鱗を、以前のようにチラリチラリと垣間見せているのかも知れない。


二つ顔を持つ亀井絵里。一朝一夕には解明できないであろう、その魅力の秘密を
説き明かしていく為の材料として『DAYS』はこのうえない攻略本となる事だろう。