121「『Missラブ探偵』〜W(ダブルユー)6thシングル」



Missラブ探偵/W(ダブルユー)amazon.com/注文もできます)



もう1曲、姫路でお披露目となったのが、W(ダブルユー)の『Missラブ探偵』。
作詞作曲編曲はもとより、プロデュースもつんく♂の手から離れて作られた、
ハロー史上始まって以来の「完全外注曲」という事で、
ある意味姫路コンでのどの曲よりも大きく注目していたのだが、
蓋を開けてみれば、なんとt.A.T.uが飛び出してきたからたまらない。
さてこの曲というものは、一体どういう切り口で評価したら良いものなのか…
と、しばし呆然としてしまった。


いや、一概に文句をつけるつもりはないのだ。
しかし、つんく♂の手を離れた作品と、
つんく♂純粋培養」のハローのメンバーとが融合する事で、
どのようなケミストリーが生じるのかという部分に大きく期待していたのにも関わらず、
手垢のつきまくった「つんく♂節」よりもさらに泥臭い仕上がりの曲になったというのは、
これははっきり言っていただけない。
1度や2度のコンタクトで駄曲と決め打ちするのは早計だろうとは思いつつも、
やはりあのイントロの前時代感だけは如何ともし難く、
「厄介なシロモノ」という印象は否めないところなのである。


結局、「ダブルユーだからまあ許されるか」などという、
いささか強引、かつ判官贔屓にも似た結論を一応は自分の中に置いてはみた。
楽曲的にそそられずとも、演者が良ければなんとかなってしまうというものだ、
という持論からいけば、Wなんでまぁオッケーという結論も
決して無理筋ではないとは思うのであるが、
いくら巧者のWとは言え、物には限度というものもある。
長い目でWの持ち歌としての存在価値を考えたとき、この曲がもたらす効果はいかばかりか。
あるいは悲観的な想像しかできないのはボキだけなんだろうか。
これなら、まだつんく♂プロデュースでアホアホな事を
やらかしてくれていた方が潔かった気もするし、同時に、なんだかんだ御託を並べても、
やはりハロプロにはつんく♂の音楽エッセンスが絶対的に必要なのだ、という事を
改めて実感させてくれた気がするので、
そういう点においては、意義のある楽曲だと言えるのかも知れない。


落ち着いたとは言え、まだまだ健在なのが辻加護の暴走力。
いろいろ波紋を広げて、そして周囲を振り回してしまうほどのパワーは
文字通り、t.A.T.u的だとも言えるし、
もしそこまで見越してのt.A.T.uなのだとすれば、
それはそれで大尊敬に値するグッジョブなのだけど、
まあそんな事はありえないだろうなぁ。