119「松浦亜弥里帰りスペシャル」



あやや、郷里で躍動 姫路城天守背にコンサート神戸新聞
あややが姫路に帰って来たぞ!(デイリースポーツ)



姫路だからどうだとか、野外だからどうだという話ではなく、
松浦亜弥はやっぱり偉大なアイドル歌手なのだ」というシンプルな事実を、
形として明確に我々が実感できたという意味においては、
過去現在に渡り、数多行われているハローのコンサートの中。
いや、全ての女性アイドルのコンサートの中でもナンバーワンのステージであったと、
大マジでそう思わせてくれるほどに、大変素晴らしいコンサートであった。


セットリストは、基本的に春シーズンに行われていたキャプテン公演のそれを
踏襲した形ではあったが、家族連れや非ヲタ層が目立つ客席を意識してか、
W(ダブルユー)が『恋のバカンス』、メロン記念日が『涙の太陽』をそれぞれ披露したり、
あるいは、後半のセットリストを通常公演からガラリとリニューアルし、
松浦亜弥のお時間」とも言うべき、大ヒットパレード大会になった事など、
そこはやはり、この日限りのスペシャルなステージプロットの数々。
その関係で、キラーチューンの中のキラーチューンである『This is 運命』がカットの憂き目にあったり、
鉄板でプレイされると思っていた『トロピカ〜ル 恋して〜る』がまさかの落選だったりと、
些細な部分における、一抹の不満がそこここで聞かれたりもする。
しかし、そんなマクロな感情など、
松浦亜弥メロン記念日、そしてWが、さわやかな汗をほとばらせ、
声の限りに紡ぎあげた2時間のステージの前には、所詮なんの力も持ち得ない。
その時間を満足に過ごすことができなかった者が喚く単なる負け惜しみでしかないのである。
1曲目『Yeah!めっちゃホリディ』のアカペラから、オーラス恒例の万歳まで、
全ての時間が完全無欠のコンサートだったと、ボキは高らかに言い切ってしまいたい。
そしてなにより、松浦亜弥の「力」の凄まじさを、改めて感じ入ったステージだった。


そこでふと、その松浦亜弥の「力」の源はなんだろうと考えてみた時、
それはたぶん「信じている」という行為が全てなのであろう…
などと、勝手に結論付けてみたくなるのである。


芸能人として、あるいは歌い手としての、自分の実力を「信じている」彼女だからこそ、
どんな活動にも積極的に、そして堂々たる態度で臨むことができる。
そして、そのポジティヴで自信に満ちた活動が良い結果を生み、
また積極的にいろいろなフィールドに飛び出していくという好循環が、
彼女の力の源の一端だと言えるだろう。
そして、彼女はまた、自らを支えてくれるスタッフ、そして多くのファンの事を強く「信じている」。
今回のコンサートに限らず、毎回のコンサートで彼女がかけるスタッフへの感謝の言葉。
さらに、ステージの上から湛えてみせる優しい笑顔は、良悪関係なく全てのヲタに
満遍なく降り注がれる。それは、ファンのおかげで自分が存在しているのだという事を、
実感として解っている彼女だからこそ持ちえるホスピタリティに満ちた精神の表れなのだろう。
そこにあるのは、自分を取り巻く全ての人たちと築いてきた信頼関係が生む未曾有のパワー。
自らの実力。そして、支えてくれた人たちとの絆の力。
それらを信じ、心に持ち続けている事こそが、松浦亜弥松浦亜弥である事の原動力であり、
例え周囲の状況が目まぐるしく変わろうとも、活動に激変があろうとも、
彼女が「信じている」事をやめない限り、彼女は今までどおり輝き続けてくれる事だろう。


ともかく、見られてよかった。
その一言に尽きる。
そして、このひと夏の思い出をしっかりと胸に刻んで、
ハロプロはいよいよ後半戦に突入していく。


そう。
また、あわただしい日々がやってくるのだ。