118「言い過ぎだと言われても、やっぱり言わなきゃ。」



モー娘「東名阪」1日握手サーキット(日刊スポーツ)



「結局、金があればどうにかなってしまう」


なんていうドッチラケもいいところの展開には、
怒りを覚えるということさえ通り過ぎ、ただただ寂しい限りである。
もちろん、最初から転売目的で抽選に参加し、まんまとその計略が当たって、
ニンマリほくそえんでいるウジ虫のごとき連中のあさましい根性もそうだが、
なにより、ファンだとかヲタだとかを日頃標榜しておきながら、
そんなウジ虫たちの撒いた「甘い汁」に、我先にと群がってしまう意地汚い人間が、
あちらこちらに存在しているという事実が、
ボキは猛烈に、悲しい。


誤解をおそれずにはっきり言う。


そんな握手券売買に手を出すような者はファンでもなんでもない。
その汚らしい手で彼女たちの尊い労働を冒涜しないではもらえないだろうか。


別に、自分だけいい子ちゃんぶろうなんて浅はかな理由だけで、
こんな口汚い文句を並べ立てている訳ではなく、
どう考えても抽選の握手券が売買されるというのはおかしな話なのである。
だいたいCDを買った者ならばともかく、
1枚たりとも買わなかった人間でも、金さえ詰めば握手券が手に入ってしまう。
ちゃんとCDを買い、抽選に挑んだ人間からすれば、そんな不条理はとうてい承服できないのではないのか。
だが、そこに疑問を感じる事もなく、そればかりか自らもその悪行に加担しようとするなんて、
とてもファンと名乗る人間の所業とは思えまい。
それに、オマケだけが目当てで、商品本体を粗末にする、あるいはどうでも良いなどと考えるのは、
ひと昔前に巷を席巻した『ビックリマンチョコ』に群がる小学生を彷彿とさせる、
極めて知能レベルの低い行為と言えるだろう。
いや、お菓子のオマケ程度の話ならば、まだ幼稚だと笑い飛ばす事もできる。
好きなタレントのCDに対してそのような行為に及ぶのは、
作品としてのCDを、ファンたちに聴いて味わって楽しんで欲しい…という
彼女たちの願いを踏みにじる、非人間的な最低最悪の行為である。
そんな者たちが大手を振って、なにがファンの力などというのか。
金を出せば誰でも見れるコンサートなどとは違い、
今回の握手会は、CDを買い、抽選に挑み、そして見事に選ばれた、
「運の良いファン」にメンバーが感謝を述べる場所であり、
札束を振り回した者が勝ちなどという下品な世界などでは絶対にないはずである。


ボキの周りにも握手券売買に肯定的な人はいるし、
コラムを読んでもらっている人の中にも、あるいはいらっしゃる事だろう。
そして、今回のドギツい文章に、大いに気分を害しておられるかも知れない。
しかし、解っていただきたいのは、握手券がオークションに出回る事など、
絶対的に健全ではないという事、そして、誰にも一銭の得にもならないという事である。


今回のコラムが、売買肯定派の人の考え方を変えるきっかけになれば幸いである。