116「『なつふく』〜紺野あさ美2nd写真集」



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紺野あさ美は「和み」である。


この論説に異論を唱える者など、よもやいるまい。
もちろん他のメンバーのような、今風の女の子然とした姿も持ってはいるが、
彼女には、イマドキの十代の少女が忘れかけている「素直さ」と、
そして自然体で人を和ませ、癒してしまう優しげな雰囲気がある。
それは芸能界という特殊な環境だけではなく、平成17年の日本を隅々まで見渡してみても、
極めて稀有な存在であり、ただでさえ殺伐とし続けているハロー界隈の
言わば「ひとときのやすらぎ」として、彼女は日々輝きを華っている。
とは言え、ただ単にのっそりとしているだけだったり、
巷によくいる、天然を故意に演出しようとする女性の場合だと、
癒しや和みどころか、イラついてしまう事の方がむしろ多かったりするのもまた常である。
まあ彼女ほどかわいければ、多少イラついても許してしまおうと思わせる訳だが、
無論、彼女が見ている者をイラつかせるような事はまずありえない。
なぜなら、彼女の「はんなり」な姿の奥の方には、
しっかりシャープなもう一人の紺野あさ美がいるからである。


彼女の魅力をよく知る者ならば、同時に彼女が歩んできた、
挫折と努力の日々もしっかりと記憶に刻まれている事だろう。


「赤点」と言われたオーディション。
怪我でスタートが大きく遅れた加入当初。


どの期よりもがんばった5期メンバーの中でも特にがんばってきた彼女は、
この4年間で、ちょっとやそっとではくじけない強い心。
そして、自分に与えられたポジションを全うしようとする責任感の強さを、
しっかりとその手中に収めた。
そんな「努力の跡」を物語る芯の強さがしっかりと根っこにあるからこそ、
彼女が元来持っているまったりとした性格が嫌味にならない。
それどころか、見ていてなぜだかホッとさせられてしまう安心感のようなものが、
彼女の周囲からは感じられるのである。


2冊目の写真集『なつふく』は、前作にも増して、
紺野あさ美だけが持つ「柔らかな魅力」がぎっしりと詰まった仕上がりになった。
これから写真集を手に取る人には、身体のラインやプロポーションといった
即物的な楽しみ方ではなく、彼女の持つ癒しパワーを視覚から存分に感じてみて欲しい。
そして、ページをめくり終え、ホッと心が和んだら、きっと気がつくはずである。


「こんこん見てると、やっぱり和むなあ」