113「うしろから、ひたひたと、ようじょの影」



Berryz工房 (オフィシャル)



このコラムを始めてから、ヲタとしての自分が確実に変わったと思える事が一つある。
それは、Berryz工房の事を、偏見なくいろいろ見聴きするようになった事である。


今から1年近く前、このコラムの2回目に彼女たちについて触れているのだが、
その頃は、文中も記しているように、好きとか好きではないとかそういう以前の問題として、
彼女たちに興味というものがなかった。いや、興味がないというよりは、
Berryz工房が、モーニング娘。松浦亜弥などと同じ、
ハロープロジェクトの一員なのだという事実がボキの中でまったくもってアンリアルであり、
そもそも、好き嫌いの評価のまな板の上に乗せるという意識がまるでなかった。
いろいろな場所に登場し、ああだこうだやっている姿を見ても、
なんというか、これはこれでどこか別の世界のお子様集団がやってきているのだという、
外様を見るような視線でしか彼女たちを捉えていなかった。
なぜかボキは、彼女たちのデビュー曲のイベントに、知人の誘いを受けて出かけているのだが、
当時からそんな風な心持ちであったゆえ、
出かけた理由も現場で仲間とただ騒ぎたいというのが全てだったし、
それ以降は、何かを特段意識することなく、彼女たちには自然と見向きもしなくなった。
あれこれ理由をこねて、躍起になって、キッズやBerryzの存在を否定しまくれるほど、
ボキは彼女たちを深く意識してはいなかったのである。
ボキと、多くのアンチキッズとの決定的な相違点はその部分にある。


まあ残念なお知らせではあるが、ユニットとしてのBerryz工房に興味がない、
という部分については、考えとしては全く変わっていない。
異次元のお子様たちという意識も以前のままである。
ただしかし。あるきっかけが、ボキとBerryz工房の距離を少しだけ縮めてくれた。


『スッペシャル ジェネレーション』との出会い。


ユニットとしてのBerryzに興味はなくとも、この傑作には大いに興味が沸いた。
不朽の名作『愛の園〜Touch My Heart!〜』以来、久々に衝撃を受けたこの場末系ラテンナンバーは、
ちょっと今までのハローの中にはなかった「下世話感」を持っていた。
そんなある意味、伝説となるやも知れないこの曲を唄っていたのが
Berryz工房だったのは、ボキにとって果たして良かったのか悪かったのか。
どちらにしても、曲を意識するという事は、自然と歌い手を意識せざるを得ず、
以前よりも、彼女たちの歌を耳にする機会が増えたことは事実だ。
そしてあろうことか、最近では新曲もちゃんとチェックするようになった。
もっとも、あくまでも「スペジェネより上か下か」という判断基準だけしか存在せず、
「ユニットとしてのなんちゃらが」とか「誰それの個性が」なんて要素には
てんで興味がないのは、昔も今もあまり変わりはない。
このまま行けば、まあ彼女たちになびくことは100%ありえないだろう。
しかし万が一。
そんな事ありえないだろうが、スペジェネを超えるキラーチューンが登場し、
それをまたもやBerryz工房が獲得したとしたならば。


もしかすると、もしかしてしまう。
ああ、どうしよう。