111「石川梨華、いいオンナへの道。」



石川梨華Wikipedia



かつての石川梨華は、おおよそセクシーという位置からは程遠いポジションにいた。


4期メンバーとして入ってから、ほんのちょっと前までの事を思い浮かべてみると、
石川とエロ要素との関係は、全て受け手側の「さじ加減」だった。
それは例えば「清純そうな石川がこんなんだったらいいな」という妄想系エロしかり、
さしてエロいというほどでもなかった、当時の石川の、
しなやかというよりは華奢なボディラインを、しきりにエロ視点から語る風潮しかり。
それらは皆、見る人間たちの自由発想に基づくフィクションの産物だったように思う。
2年ほど前に一瞬登場した、ROMANSというユニットがその最たるもので、
周りの斉藤瞳やらアヤカやらが、ただ、視覚的、直感的にセクシーなのに対して、
石川の場合は、見る者がまず「石川のコレはコレでエロいのだ」と自己意識した上で、
そこから初めて醸し出されていく、言わば、後付けのセクシーさだった。


ところが、モーニング娘。を卒業し、美勇伝を本格的に始めてからの石川が、
徐々にではあるが「直感的セクシーさ」を醸し出すようになってきたような、
そんな気がしてならないのである。


美勇伝というユニット自体、結成当初のノーブルな趣から、
年頃の女の子が持つ独特のセクシーさを、ストレートに表現する方向に変化してきているし、
三好絵梨香岡田唯が当初の予想を覆す「エロキャラ」だった事も
(いくらなんでも「キュッ」というのはどうかと思うが)関係しているのかも知れない。
あるいは年齢を重ねたという事もあるだろう。
その要素的な部分はまあともかくとして、少なくとも今の石川からは、
ROMANSの時の、高いヒールを履くが如くの違和感。
そして、セクシーというアプローチに対する「理屈っぽさ」は消えてなくなっている。
何一つ無理をする事無く、ごく普通にセクシーさを体現できるようになった石川梨華を見て、
あまりに不器用だった2000年当時の姿を知っている世代のボキは、
なんとも言えぬ感慨を禁じえない訳である。


とは言え、石川梨華のセクシーさはまだまだ荒削り。
これからは、ただ露出に頼ったセクシーではなく、たとえ肌の露出などなくても、
顔や手足の運び、あるいは立ち振る舞いなど、なにげない仕草や行動で
セクシーさを表現できるようになっていって欲しい。
究極目標は、もちろん「いいオンナ」。


そして、今のハロプロ第2世代の中で、そのポジションの最短距離にいるのは、
もちろん石川梨華をおいて、他にはいない。