107「名古屋はええよ!やっとかめ」



名古屋市公式ウェブサイト



ドキみきNight』と『ちゃんちゃか☆チャーミー』。
ハローの「三大単独レギュラーラジオ」のうちの実に2本を供給。
そして、名古屋城博へのW(ダブルユー)の起用。
さらに万博のパートナーシップ事業を、年単位の長期スパンで展開するなど、
ハロプロと名古屋という土地との関係は、良好すぎると言っていいほど良好だ。
なのに、同じ大都市である東京や大阪などと比較すると、
ハロプロ的に、どうも地味な印象を持ってしまいがちなのは、一体なぜなのだろうか。


ハローのメンバーに名古屋出身者がいないというのが要因なのかも知れない…
とか一瞬思ったりもしたのだが、よくよく考えてみれば、
純粋な大阪出身あるいは東京出身者というのも数的に決して多いとは言えない訳で、
殊更に名古屋のメンバーがどうたらというような話でもなさそうである。


あるいは、メディアの不足感という側面。
確かに、ハロモニが1週遅れ、その他のテレビのオンエアもないというハンデはある。
しかし、それは大阪とて同じ事だし、なにより、冒頭にも書いたように、
数少ないハロプロメンバーのソロラジオのレギュラー番組を
2本オンエアしているというのは、これは非常に大きな事であろうと思う。
体裁は中部ローカルだが、ラジオの電波は電離層を伝って全国に飛ぶ。
加えてインターネットでの配信も盛んであり、全国規模でリスナーが存在する事を考えれば、
テレビが放送されていない、などというハンデなどまったく問題ない気がするし、
メディアの量や質というものが、名古屋のハロプロ的地味さの理由だとは、やはり考えにくい。


ただ、その強みの部分であるラジオに、なんとなくではあるが、
名古屋に地味な印象を受ける理由のヒントが隠されているような気がするのだ。


名古屋発のラジオを聴いていて感じるのは、その「名古屋色」の薄さである。
東京のタレントを使って、東京のスタジオから放送しているのだから、
それはある意味仕方のない事なのかも知れないが、
名古屋だけ特別に!というような「ご当地感」をあまり感じることができない。
全国のヲタがオンエアをたやすく手にできるようになった事で、
そして、作り手が名古屋以外の全国のリスナーをたやすく獲得できた事で、
名古屋発のラジオというインパクトは、ある日を境にどんどん平均化されていき、
送り手、受け手共に「東海オンリー」という部分でのプレミア感を、
ほとんど意識しなくなってしまっている現状がそこには見てとれる。
そして、その事をなんとなくスンナリ受け入れてしまっている、名古屋という土地柄。
「いや、さりげなくてそれくらいがいいのだ」という向きもあるのかも知れないが、
ご当地自慢が有効に機能していないというのは、やはり寂しいものである。


そういう状況の背景には、おそらく、東京のように際立って洗練されている訳でもなく、
かと言って大阪のように強烈なインパクトがあるという訳でもなく、
その地理的な側面同様「ちょうど真ん中くらい」という
名古屋人独特の国民性というものが大きく関係しているのだろうと思う。
個性的ではあるのだが、いつでも飄々としていて、なんとなく控えめな感じに映るキャラクター。
そういったものが、そのまま印象度の薄さに繋がっているのではなかろうかと、
ボキは勝手に結論付けてみた次第である。


ライブやフットサルのイベントが東京と大阪に展開していき、
この夏はまたなんとなく地味な存在になりそうな名古屋。
しかし、ラジオ、そして万博という切り札を持つ以上、
どんな状況であれ、名古屋がハロプロに最も近しい土地である事に変わりはない訳で、
何も言わない性格なのをいい事に油断していると、
後々名古屋にギャフンと言わされてしまうような気がしてならないので、
ボキはこれからも名古屋とハロプロの関係性をじっくりと見つめ続けていきたいと、
そんなふうに思っているのである。