106「げに素晴らしき、つんく♂ワールド」



歌詞Wikipedia



音楽的素養があまりないボキが、ひとつ今日は楽曲について書いてみたいと思う。
とは言え、専門的知識に乏しいボキには、
音符についての良し悪しなど当然語れるはずもなく、
文系ヲタのボキにとっての楽曲論はズバリ「歌詞」からのアプローチである。


言葉遊びの多用や企画的要素先行の楽曲が続いている事もあり、
ここ最近は、歌詞込みでの佳曲というのはめっきりと減ってしまった。
グループにエンタメ性が求められるのに比例して、
その傾向はだんだんと強まってきたのだが、これはなかなかにして寂しい事である。
ボキはつんく♂楽曲の良さの神髄は、その歌詞世界にこそ存在すると思ってやまないし、
過去数多の楽曲の歌詞に多大なる感銘を受けてきた。
ただ、その多くはカップリング曲やアルバム曲に存在しており、
なかなか日の目を見ないというのもまた事実で、つんく♂の歌詞=ノリ重視、語呂重視という
「偏見」が少なからず見受けられてしまうのが残念でならない。
ボキがそこまでつんく♂の歌詞に肩入れする理由。
それは彼が紡ぐ歌詞世界。特に学生時代に誰しも経験するほのかに甘い恋愛の風景が、
ボキの持つ学生時代の記憶の原風景にピタリとマッチしているからに他ならない。


何を隠そうボキは、下手の横好きながら、小説なども書いたりするのだが、
恋愛のシチュエーションを描こうとする時、
いつの時でも土台にするのは、高校時代の恋愛に夢中だった頃の日々なのである。


「自転車」「通学に使った列車や駅」「放課後」「告白」「部活」「寄り道」…


物語の骨格となるのはそんなキーワードたち。と、ここまで書いて、
楽曲を深く味わうタイプの人ならもうお気づきだろうが、
つんく♂の描く歌詞世界には、そんなシチュエーションが非常に数多く登場する。
その名もズバリ『通学列車』という曲もあるし、
後藤真希の隠れた名曲『特等席』の歌詞もなんとも言えず甘酸っぱい。
そして、なんといってもボキのお気に入りは、
その歌詞世界にメロディがベストマッチした不朽の名作『例えば』、
さらに、ボキの人生を左右した運命の一曲『ダディドゥデドダディ』…
同時に、きめ細やかなディティールを作り上げようとする点も、
ボキの創作活動と妙に符合するところがあり、これはもうフィーリングの問題ではあるのだが、
素晴らし過ぎる「つんく♂ワールド」に幾度となく触れ、
その都度「うわーやられた」という思いを抱かされたものである。
もちろん、ただ単に歌詞にグッときたからというだけではなく、
歌詞がしっかり曲とマッチングしているという事実があればこそなのだが、
ボキの場合はやはりメロディよりも歌詞のほうが価値判断の基準になる。
そういう点で言えば、ここ最近は歌詞でハマる曲が少なくなったのは、
何度も言うようにちょっと残念だと思う。


大阪弁も韻を踏みまくった言葉遊びも、それはそれでアリだとは思うのだが、
ハロプロにこれだけの個性が存在する今だからこそ、
つんく♂流青春群像」がたっぷりと詰まった名曲の登場を熱望してやまない。