104「「愛ごころ」〜高橋愛4th写真集」



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高橋愛がすごいなと思うのは、
オーディションの時にプロデューサーから言われた
「方言を忘れるな」の言いつけを今もって尚、忠実に実行している事である。


今では強烈な博多弁の田中もいるし、
その気になれば山口弁のあのヒトだって黙ってはいない訳で、
こと方言に関して言えば、もはや高橋がそんなに躍起になる必要は全然ない。
まして彼女は今やメンバーの「三本柱」の一角。
そんな中軸たる存在が、歌やルックスではなく方言でしかイジられないというのも嫌な展開だし、
そんな事を考えたら、いわゆるフツーの振る舞いが今の彼女には合っているような気がしなくもない。
けれど、それでも高橋は芸能活動から方言を捨てようとしない。
方言という個性で覚えてもらった自分を無理に変えようとはしない、
彼女のポリシーの強さ。そして、打算に逃げない彼女の実直さがそこには見てとれる。


まあキャラ云々という部分を除いても、
彼女にはやっぱり「ふるさと」の雰囲気がよく似合うのではあるが。


最初はどうやってもイモっぽさが隠し切れない田舎娘だったのが、
様々な経験や年齢的成長を経ることで、見違えるように都会的になっていく。
過去のモーニングの地方出身メンバーは皆たいていそういう道を歩んできた。
ハローの「イモ代表」と言われて久しいあのなっちですら、
昔日と比較すれば今ではすっかりシティーガールだべ。
しかし高橋愛という人は、スタイルも顔立ちも見た目はもう完全に洗練されているはずなのに、
全身からそこはかとなく「ふるさと感」がにじみ出ているのである。
構えの感じられない佇まい。そして、都会人特有の尖った感じの物腰が見られない彼女は、
たぶん生粋の田舎モンなのだろうと思う。
そんなピュアな一面に彼女のファンたちは大いなる魅力を感じるのだと思うし、
同時に、ピュア過ぎる故のもどかしさや、そこから派生する少しの苛立ちみたいなものを
世のアンチ高橋たちは感じるのかも知れない。もちろん嫉妬も込みでだ。


そんなピュアな魅力が、これまでにも増して暖かく表現されたのが
4作目のソロ写真集『愛ごころ』である。
天草の雄大な自然に、田舎モン・高橋愛がベストマッチングなのはまあ言うまでもないが、
例えば水着でのショットにしても、特有の下世話はあまりなく、
そのスラリとしたしなやかな肢体には、色っぽさというよりむしろ綺麗さを感じる事ができる。
そして、少女から大人への過渡期の場面を、名手・根本好伸が見事なテクニックで切り取り、
高橋愛の今」を表現したという意味ではパーフェクトな仕上がりの写真集となった。


高橋愛が方言を喋り続けてくれる事で、僕たちは彼女が高橋愛として
モーニング娘。の中にいるのだという事をいつでも確認する事ができる。
そして、そこに横たわるなんとも言えない「安心感」こそが、
彼女にしか醸し出せない、唯一無二の個性なのだという事を
この写真集は教えてくれているのかも知れない。